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刺激は多い方が効くのか?【鍼数・深さ・太さ・通電】

強けりゃいいってもんじゃない

 

鍼灸刺激は適切な量が一番効果的なのですが、治療院の中には、『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる方式』のところが少なくありません。

鍼をしっかり響かせ、鍼数を多くして、鍼にパルス通電を流しておくと、確かにやってもらった感だけは強く出ます。

ただその刺激が身体にとって良いとは限らないのです。許容量を超える刺激は、めまいや吐き気などの副作用を引き起こします。

瞑眩という言葉に胡麻化されないで、その人に合った刺激量で施術を受けて頂きたいのです。

 

瞑眩という都合のいい言葉

 

鍼灸治療をよく受けている方の中には、瞑眩(めんげん)という言葉を聞いたことがある方がいるかもしれません。

好転反応とも呼ばれるこの反応は、漢方薬を飲んだ時に起こる、一時的な症状の悪化や体調不良を言います。

この瞑眩反応が起こると、その後体調が良くなると思われがちですが、実際のところそんな確証はありません。

実はただの副作用ということもあるのです。

 

漢方薬では、この瞑眩反応という言葉があるため、実際には副作用でも、そのまま服用を続けることで命に関わることさえあります。

鍼灸治療でも同様に、瞑眩反応という言葉が使われますが、実はただの刺激過剰ということはよくあります。

 

では副作用(副反応)と瞑眩の違いは何かというと、その術者がコントロール出来るかどうかです。

例えば、私も少し刺激過剰だと思いながら、敢えて少しだけ刺激量を増やすことがあります。

これは生体反応を起こすために、少し強めの施術をすることで、眠っている機能を揺り動かすようなものです。

 

ただ高熱を発したり、痛みで動けないなどの、術者が十分にコントロール出来ないほどの症状が出ると、それは瞑眩反応ではなく、単なる副作用です。

この場合には、明らかにコントロール出来ていないからです。

 

刺激量は適量が一番

 

その人が受け取ることが出来る刺激量を探り、必要最低限の刺激をするのが、鍼灸師の腕の見せ所です。

誰が来ても同じように、同じ場所に鍼を刺して、同じように電気を流すというのは、かなり乱暴なやり方であることは間違いありません。

 

必要最低限だけの鍼灸刺激を行うと、その人の回復力は最大限発揮されます。

その患者さんにもよりますが、刺激を決定する要因は次のようなものです。

 

1.年齢

2.体力

3.感受性

また、刺激量を決定するのは、次のような因子です。

 

1.鍼灸をする数

2.鍼の太さ・灸の大きさ

3.鍼の深さ・灸の燃やし方

4.パルス通電の有無

ただ刺激量に関しては、少数の鍼の方が物理的な刺激量は少ないのですが、影響力は大きくなることがあります。

これは、静かな環境下で、的確な場所のみ刺激した時に起こる反応ですので、かなり特殊な環境です。

 

これを意識的に使って施術することは、かなりの高等技術ですから、真似事は出来ても、実際にこうしたごく少数鍼で、治療効果を出すのは難しいですね。

 

ひより堂の鍼は

 

当院の鍼灸は、恐らくかなりオーソドックスなスタイルだと思います。鍼数も、多くもなく、少なくもなく。

正直なところ、あまり特徴が無いと言えば無いのかもしれませんが、これも当院の特徴です。

私も元々は、少数鍼で施術をしていて、皮膚に刺すか刺さないか程度のごく浅い施術をしていました。

そんな18年前、とある患者さんが来院されたことで、施術に対する考えがすっかり変わりました。

その患者さんは、私が尊敬していた、神話レベルの鍼灸師の先生の、元患者さんでした。

 

その鍼灸師の先生は、その当時既に引退されており、第一線を退いた後でしたので、もうその先生にお会いすることも難しい状態でした。

私は、形上その先生の孫弟子に当たるのですが、実際にお会いしたことがないため、色々な先輩鍼灸師から、聞き伝えにお話を伺うだけでした。(ほぼ伝説)

 

それが思いがけず、実際に治療を受けていた患者さんから、お話を伺うことになったのです。

その患者さんのお話では、その伝説の鍼灸師の治療所は、古い長屋の一室で飾り気もないのに、全国から患者が来ていたということでした。

 

さらに、実際に受けていた鍼灸治療の話を伺って驚いたのですが、非常にオーソドックスで、一見どこにでもある鍼灸院のやり方だったというのです。

先輩鍼灸師からの話では、いつも非常に難しい施術の勉強会をされていて、普通の刺し方は全くしなかったという話を聞いていたので、とても驚きました。

ところが、そのシンプルな鍼灸治療を実際に受けると、驚くほど効果があったということでした。

 

まぁ単純と言われればそれまでですが、これで私の施術は明らかに変わりました。

今までは、鍼数を減らすために知恵を絞り、少しでも少ない鍼数で施術する様にしていましたが、それをすっかり止めてしまいました。

 

自分の中で必要だと思われる時には、鍼数が増えてもしっかり刺し、深く刺す必要がある時には、かなり深くまで刺すという、今のスタイルに近くなりました。

それ以降も試行錯誤があり、現在はあまり既成概念に縛られず、東洋医学や西洋医学、生理学、解剖学などを取り入れて、過剰刺激にならないような施術をしています。

 

その人の状態(妊婦や重症患者さん)によっては、2~3本程度で終わることもありますし、多い時(美容など)には、30本程度になることもあります。

また当院では、パルス通電は必要性を感じないため、全く行いません。

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鍼灸ひより堂