#
#

ブログ

blog

眼科疾患の未病を防ぐ鍼灸【中心性漿液性脈絡網膜症・CSCの予防】

病院では異常なしと言われたが

 

来院患者さんのAさんは、眼科に勤務する視能訓練士でした。ご自身も、日々来院される患者さんの眼科検査等を担当し、日々眼科疾患の方の診療補助を行う立場です。

そのAさんが目に違和感を覚えたのは3年前のことでした。(2019年現在)

 

勤務する眼科では、問題なしと言われたのですが、自分でも度々OCT撮影を行いながら見ていると、脈絡膜の厚さが厚くなっており、色素上皮にも不整が見られるようでした。

3年前から徐々に自覚症状が進行しており、どうしても気になるため、ネット検索をしていたところ、愛知県の千秋鍼灸院のHPから、当院へのリンクを辿りご来院されました。

 

初回カウンセリング

 

眼科的には明確な病変はなく、病気と正常の狭間であることは、視能訓練士という職業柄、ご自身の知識と経験からも分かっているはずです。

ただ、このまま放っておくと、脈絡膜の浮腫や新生血管、そして後々黄斑変性が発症するということも、知識と経験からよくご存知でした。

正直なところ、私からご説明することはほとんどないほどに、深い知識をお持ちでしたので、これから行う鍼灸治療のことと、東洋医学的な解説を少しだけさせて頂きました。

Aさんは強度近視で、眼底部に掛かる物理的ストレスはかなり大きく、今回の中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)の原因にもなっていると思われます。

そのため、眼底部の血流改善は、眼科疾患共通の課題であると言えます。

 

さらにAさんは、アレルギー疾患をお持ちで、自律神経の弱さや胃腸の弱さに対しても、アプローチすることにしました。

慢性的に進行する眼科疾患(網膜色素変性症や緑内障)や、眼科疾患をお持ちの方の体調管理では、こうした胃腸を整えるということは、とても大事です。

 

東洋医学では、胃腸の働きは、脾胃という臓腑の働きだとされています。脾胃は後天的な生命力の元となると言われていて、慢性疾患の治療においては、とても大事なものなのです。

確かに胃腸の機能は、栄養の摂取という意味でも、免疫系への影響という意味でも大変重要な意味を持ちます。

 

鍼灸治療開始

 

鍼灸治療を開始しました。

眼科鍼灸では、後頚部の施術、目の周囲の施術と、全身調整の鍼灸を行います。

<後頚部の鍼>

後頚部の凝りを取るだけでも、眼底部の血流が良くなります。

<目の周囲の鍼>

目の周囲には、効果的に眼底部の血流を増やすツボがたくさんあります。

その中から、特に反応が出ているツボを選んで鍼を刺します。

 

中国では、眼窩という目のくぼみに鍼を深く刺す(眼窩内刺鍼)ことがありますが、非常に内出血のリスクが高く、当院ではこの方法を行っていません。

この眼窩内刺鍼と、当院で行う浅刺を比べても、治療効果に差が無いと思われるため、リスク対効果を考えると、この浅い刺し方で十分だと思います。

これは、眼科鍼灸の第一人者である、千秋鍼灸院の春日井先生も、同様のご意見だということです。

 

今回の患者さんは、先ほど書いたように胃腸が弱く、全身的な調整も行うため、足や背中の鍼も行いました。

<胃腸を整える鍼>

 

その後の経過

 

こうした施術を、週1回ペースで受けて頂き、施術を開始して約3か月で、自覚症状がほぼ無くなりました。

OCTも最初の頃は頻繁に撮っていたようですが、最近は撮らなくなったと仰っていました。

医師に問題がない程度の変化と言われても、あれほど気になっていたのが、最近では気にならなくなったというのは、実はとても大きな成果です。

 

慢性的な眼科疾患の患者さんは、常に症状悪化や失明の恐怖感を抱えていることが多く、そのことが逆にストレスになり、眼科症状を悪化させてしまいます。

Aさんの場合も同様に、豊富な知識があるがために、余計に不安感が強くなる結果となりました。

そうした不安感が、鍼灸治療で取り除かれた結果、Aさんは頻繁に行っていた検査を、せずに済むようになったわけです。(悪化していないという前提です)

こうした不安感の無い生活は、生活の質(QOL)の向上という意味でも、大変意義があることだと思っています。

 

鍼灸治療は、検査結果の改善のみならず、日常生活の質を改善するという意味でも、受ける価値があるのではないでしょうか。

日々不安を抱えながら、どうして良いのか分からないという方は、ぜひ一度ご相談下さい。

#

鍼灸ひより堂