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ストレスとバセドウ病眼症【西洋医学と東洋医学・免疫・鍼灸】

ストレスでバセドウ病眼症に?

 

バセドウ病を始めとして、多くの免疫系疾患や内分泌系疾患には、ストレスの関与が考えられます。

今回は、西洋医学的な考え方と東洋医学的な考え方の両面から、このバセドウ病眼症に迫ってみたいと思います。

バセドウ病眼症は、非常に大変な病気ですが、少しでも完治のきっかけになればと思います。

 

バセドウ病と橋本病

 

非常にシンプルに表現すると、甲状腺機能が亢進した状態がバセドウ病で、甲状腺機能が低下した状態が橋本病ということになります。

ところがこの2つの病気は、全く対極にあるものではありません。どちらかというと、1つの大きな波の中の、頂点と底辺を見ているようなものです。

実はバセドウ病というのは、気付かない内に甲状腺機能が低下した状態で過ごした結果、その反動で甲状腺異能が亢進してバセドウ病になってしまうようなのです。

当院に来院される妊活女性の中に、多くの甲状腺機能低下症の方がいるのですが、そのほぼ全員が妊活の検査でたまたま発見されるだけで、実際には無症状なのです。

 

甲状腺機能低下症である橋本病では、日々のストレスや疲れなど以外、これといった症状が殆どありません。

そのため、低下症の状態では全く気付かないまま日々の生活を送ることが多く、ある人は妊活の最中に検査で発見され、ある人はバセドウ病になって眼球突出してから発見されるのです。

 

ストレスとバセドウ病

 

人は強いストレスを感じると、自律神経の一つである交感神経が働きだします。

交感神経が働き出すと、心拍数や血圧を上げたり、毛細血管を収縮させたりすると同時に、ホルモン分泌や免疫系にも影響が出てきます。

 

その中には、リンパ球の一種である、Th1やTh2というリンパ球があります。

このTh1やTh2というのは、甲状腺機能低下症である橋本病や、甲状腺機能亢進症であるバセドウ病でも、変化が認められているリンパ球です。

 

 

このTh1やTh2と自律神経の関係は不思議で、同じストレスでも、短期的に掛かる場合と、長期的に掛かる場合でも、反応の仕方が全く変わってしまいます。

短期的なストレスでは、Th1が亢進しますが、長期的なストレスでは逆にTh1が疲弊して、Th2が亢進する様になります。

 

そしてご覧の通り、Th1とTh2は拮抗関係ですから、どちらかが亢進すれば、どちらかが抑えられるようになっています。

更に、Tregという免疫反応を緩めるリンパ球と、Th17という免疫反応を亢進するリンパ球の、計4つのリンパ球が複雑に関係しながら、免疫系に影響を与えているようです。

 

話を甲状腺に戻すと橋本病になるとTh1が優位となり、バセドウ病になるとTh2が優位になっているようです。

つまり、短期的なストレスではTh1が優位ですから、橋本病の状態に合致しますし、その状態が長く続くとTh2が優位となり、バセドウ病の状態に合致します。

最初に書いた、甲状腺機能低下症である橋本病から、甲状腺機能亢進症であるバセドウ病に変化していく様子が、とても分かりやすく理解出来ます。

 

東洋医学的なバセドウ病眼症

 

バセドウ病や橋本病で問題になる甲状腺は、東洋医学にはない臓腑(臓器)です。

ただ甲状腺機能や甲状腺疾患の特徴を照らし合わせると、どうもとの関連が深いような気がします。

そこで東洋医学的な臓腑である、肝について、その機能をご紹介します。

 

肝は目に開竅する

 

これは、肝が目と深い関係があることを示しています。視力に関係する感光物質ロドプシンは、ビタミンAから作られますが、体内のビタミンAは肝臓に蓄えられています。

こうしたことも、肝と目の関係が深いことを表しているのかもしれません。

 

また経絡の走行を見ても、肝は喉元や目に繋がるルートを走行しています。

 

バセドウ病の本体である甲状腺は、喉元にありますし、バセドウ病眼症が発症する目の周囲は、東洋医学で目系と呼ばれており、肝経が走行するルートです。

 

肝は疏泄を主(つかさど)る

 

肝の疏泄(そせつ)という働きは、気をスムーズに押し流すような働きを言います。

そのため、気血の流れがうっ滞するような場合、肝の疏泄作用が上手く働いていない状態を表します。

 

気の作用というのは、新陳代謝に近い意味合いがありますので、甲状腺ホルモンの作用である新陳代謝とも、相通じるところがあります。

東洋医学を勉強したものからすると、甲状腺機能は肝の働きととても相関が強いように感じてしまいます。

 

肝は魂を蔵する

 

肝は、精神作用と強い関係があります。特に、思うように物事が進まない時の、イライラした表現は、肝の疏泄作用が阻害されている感じに似ています。

また肝は、物事を決定した後に、遂行する時に働く臓腑だとされています。

そのため、物事が上手く進まないと、肝に関係するところは大いにダメージを受けてしまいます。

鬱屈した思いは、やがて肝経のうつ熱となり、肝経の走行上にある甲状腺や目の周辺組織に影響(炎症)を表すとのではないでしょうか。

先ほどの図で見ると、肝経は目の周囲を廻った後、頭頂部から脳に繋がっています。

そのため、鬱屈した思いが過ぎると、最終的には脳の不調、つまりうつ病にも関係していることが分かります。

 

ひより堂の鍼灸治療

 

鍼灸治療は、バセドウ病眼症の発病に関係が深いと思われる、Th1とTh2のバランスを整える働きがあります。

またTregを増やす働きもあるようですので、亢進気味なTh17を抑制することも出来ます。

 

投薬と違い、免疫力を無理に抑えるわけではありませんので、鍼灸治療は、非常に安全で素晴らしいと思います。

ただ投薬ほどの即効性がないところが、少々難しいところではあります。

 

鍼灸治療では、高ぶった肝を鎮める施術と共に、実際に炎症が起こっている目の周囲に対しても、施術を行います。

ただ目の周囲の施術は、ごく浅く刺すだけでも、十分に効果が出るものと思われます。

 

肝を鎮める施術は、手足や腹部、背部などの全身から選んだ数か所に鍼を刺します。

これは精神的なストレスを緩和する施術にも通じますので、施術後は緊張感が緩み、とてもホッとした気分になります。

 

鍼灸治療を受けた後に興奮するようでは、その鍼灸治療は、あまり適切ではない可能志があります。

バセドウ病の施術は、施術後に、いかにリラックスすることが出来るかが、1つの目安になります。

ぜひ一度鍼灸治療を選択肢の一つに加えてみて下さい。

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鍼灸ひより堂