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正常眼圧緑内障の鍼灸治療【投薬だけで対応出来ない場合】

眼圧をコントロールしても進行していく…

 

正常眼圧緑内障は、古くから鍼灸治療の適応として、多くの文献にも記載があります。

ただ現代と違い、眼圧を下げる点眼薬や、手術などの治療法が無かった時代のことですから、現代において全て当てはまるわけではありません。

そのため、実際に緑内障になったからといって、鍼灸治療を第一選択に選ぶという方は、全くといって良いほどいなくなりました。

ところが、最近よく見られる緑内障は、眼圧が高くなくても緑内障が進行していく、正常眼圧緑内障というものです。

それほど眼圧が高く無いにも関わらず、緑内障の症状が進行してしまえば、今までに有効とされていた治療が、十分な効果を挙げることが出来ません。

そこで再び注目されているのが、正常眼圧緑内障の鍼灸治療なのです。

 

正常な眼圧でなぜ進行するのか

 

通常の緑内障は、眼圧が上がったことで、眼底部にある視神経が圧迫されてしまい、徐々に或いは急激に傷害されます。

ところが正常眼圧緑内障では、眼圧がそれほど高くなくても、視神経の萎縮による視野狭窄や視力低下は進行していきます。

何か、眼圧以外の要因が隠れているとしか考えられません。

 

そこで発見されたのが、フラマー症候群というものでした。

フラマー症候群は、体質的に毛細血管の攣縮を起こしやすい方のことで、比較的多くの眼科疾患の人に、この傾向が見られます。

こうした毛細血管が攣縮しやすい方は、眼底部分でも血行障害を起こしやすく、血行障害により作り出された活性酸素が、視神経や網膜の細胞を傷害していると思われるのです。

 

私自身も、多くの眼科疾患の患者さんを施術していて、「手足が冷たいな。」と思うことや、「自律神経が乱れやすいな。」というのは、経験的に知っていました。

このフラマー症候群というものを知った時には、眼科疾患の方に多く見られる特徴が、ある意味納得がいきました。

 

フラマー症候群の方は、眼底部でも血行障害が起こるため、細胞の新陳代謝で発生する活性酸素が除去出来ず、細胞や組織を傷付けます。

通常なら発生した活性酸素は、身体の抗酸化作用により除去されるのですが、血流が悪い眼底部では、抗酸化作用と活性酸素発生のバランスが崩れているのです。

 

鍼灸が正常眼圧緑内障に良い理由

 

鍼灸治療は、自律神経に作用しやすく、交感神経にも副交感神経にも働き掛けます。

こうした自律神経の反応を、昔から中医師たちは、何千年も掛けて記録し、鍼灸医学として体系化してきました。

その結果、鍼と灸を使って、特定の狙った部位の血流をコントロールすることが出来るようになりました。

 

眼科疾患の鍼灸治療も、こうした経験を元に、眼底周辺の血流を増やすことで、治療効果を挙げてきたのでしょう。

そのため、古くから眼科疾患に使われるツボを刺激すると、ツボの部位に関係なく、眼底の血流が増えることを確認することが出来ます。

 

例えば、下腿の外側にある「光明(こうめい)穴」を刺激すると、眼底部の血流が増えることは、多くの研究で確認されています。

脚にあるツボであるのに「光明」という名前が付いていることからも、昔から目の施術に使われていたことが分かります。

これ以外にも、手や足、頭部のツボにも、同様の働きをするツボが確認されています。

また目の周囲のツボにも同様の働きがあり、時と場合に応じて、使い分けながら施術を行うことが出来ます。

 

目(眼球・眼底)を直接刺激することなく、遠隔的な刺激で眼底部の血流を増やすことが出来る為、鍼灸治療は、とても安全な方法であると言えます。

 

つまり鍼灸治療は、眼底部の血流を良くすることで、効率よく発生した活性酸素を取り除いたり、抗酸化物質を運搬してくることが出来る為、活性酸素と抗酸化能力のバランスがとれるようになるのです。

 

また、眼科疾患に伴って発生しやすい、眼痛や眼瞼痙攣、後頭部痛、首こり肩こりなども、同時に施術することで、体感的にも非常に楽になります。

視野の改善や視力の改善は、小規模であれば殆ど認識することは出来ませんが、こうした不快症状の改善に関しては、非常に早い段階で感じることが出来ます。

 

施術頻度は、症状が進行していたり、診断から時間が経っていない場合には、出来るだけ週2回から開始し、徐々に頻度を少なくしていきます。

緑内障の方の中でも、強度近視の方や、仕事上目をよく使う人は、出来るだけ週1回~10日に1回の頻度を守るように来院して頂きます。

 

通院が負担になる方は、頻度を減らしながら様子を見ますが、強度近視の方の場合、緑内障以外にも眼科疾患を患いやすいため、注意が必要です。

完全に失った機能は元に戻りませんので、今ある機能を失わないために最大限の努力をするべきだと思われます。

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鍼灸ひより堂