#
#

ブログ

blog

眼科疾患に対応するツボの選択について

はじめに

 

眼科疾患に対する鍼灸治療は、海外でも広く行われていますが、残念ながら、あまり一般的であるとは言えないようです。

そこで眼科疾患に対して行われる鍼灸治療で使用されるツボを、考え方と共にご紹介したいと思います。

 

1.経絡を利用したツボの選択

 

経絡とは、東洋医学独特の概念で、ツボという反応点を繋いだルートだとされています。

内臓(五臓六腑)に繋がるとされる12本の経絡(十二正経)と、十二正経を経由する側副路的な8本の経絡(奇経)があります。

 

今回ご紹介するのは、あくまでもルートとして、眼に繋がるとされている経絡のツボです。

 

経絡を利用してツボを選択する場合、海外では膀胱経、胃経、胆経のツボが多く使われます。

臨床的にはそれ以外にも、眼の周辺を通る経絡を使用することもありますが、ここでは特に多く使用される経絡をご紹介します。

 

【膀胱経で使用されるツボ】

 

膀胱経は、眼の内側から始まる経絡です。

 

その中でもよく使用されるツボは、晴明、攅竹、承光、天柱です。

【胃経で使用されるツボ】

 

胃経は眼の下側から始まる経絡です。

その中でもよく使用されるツボは、承泣、四白です。

 

【胆経で使用されるツボ】

 

胆経は眼の外側から始まるツボです。

その中でもよく使用されるツボは、瞳子髎、光明です。

 

2.臓象を利用したツボの選択

 

臓象とは、東洋医学的な生理学とも言うべきものです。

五臓の働き(機能)から、眼に関係する臓腑を選び、更にその臓腑の中からツボの特性で、眼科疾患に有効なツボを選択するのです。

 

【肝の臓象を利用したツボ】

 

肝は、血を蓄える臓だとされています。

そして肝に蓄えれた血を眼に運ぶことで、眼はその機能を果たすと考えられています。

 

西洋医学的にも、肝臓は体量の血液を内蔵しており、肝臓に蓄えられたビタミンAは、眼に運ばれ感光物質に変化します。

そのため古来から、「眼の病気に肝臓を食べなさい」という風に伝えられてきました。

 

また肝は魂を臓するとも言われていて、肝は精神的な働きと密接な関係があるとされています。

眼科疾患が精神的ストレスと密接な関係があることも、東洋医学、西洋医学共通の認識だと言えます。

 

肝経(肝の経絡)でよく使用されるツボは太衝です。

 

【脾の臓象を利用したツボ】

 

肝が血を蓄えるのに対して、脾は血を作る臓です。

脾が血を作らなければ、肝で蓄えることが出来ないため、脾の働きはとても大事だと言えます。

 

また脾もまた、メンタルな働きに関係が深い臓腑です。

肝はイライラとしたストレスに関係が深いですが、脾はモヤモヤ欝々したストレスに関係が深いのです。

 

更に脾は、統血作用を持ち、血をコントロールする臓腑だともされています。

そのため、血液循環や血液凝固にも関係が深い臓腑です。

 

脾の働きを利用すると、自律神経を通して、血液循環に影響を与えると思われます。

 

脾経でよく使用されるツボは、三陰交です。

 

3.局所的な解剖学を利用したツボ

 

【眼の周囲のツボ】

 

眼の周囲には多くのツボがありますが、上でご紹介していないツボをご紹介します。

眼の周辺にあるツボは、太陽、球後、魚腰、絲竹空などです。

 

【頭部にあるツボ】

 

眼科疾患は、脳機能と関係が深く、脳機能が低下すると、眼の機能も低下します。

また神経機能に関係する、BDNF(脳由来神経栄養因子)は、ドライアイなどで減少することが知られています。

 

そのため、脳に関係するツボを刺激することで、視機能やBDNFに対してもアプローチすることが出来ます。

 

頭部でよく使用されるツボは、神庭、百会などです。

 

4.ツボの選択方法

 

私がツボを選択する場合には、今までの経験と東洋医学的な四診を行い、その上でツボを選択します。

ところが、今までに眼科疾患の施術をしたことがない方や、東洋医学的な診察が苦手な鍼灸師、或いは鍼灸師以外の人は、局所的なツボを選択すれば間違いありません。

 

多くの方に身近なツボ療法としては、温灸やお灸がありますが、顔面部は敏感であることや、眼の周囲で火を使うことは危ないため、お勧めしません。

 

多くの顔面部のツボは、禁灸穴(お灸をしてはいけないツボ)とされています。

棒灸のような炙るお灸は、顔面部でも行うことが出来ますが、煙が大量に出るため、一般家庭では大変なことになります。

 

そのため鍼灸師以外の方は、指圧などの火を使わない刺激が良いと思います。

より高い効果を望む場合には、眼科疾患を専門的に施術している鍼灸院をお訪ね下さい。

 

<眼科鍼灸の紹介動画>

 

#

鍼灸ひより堂