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眼科疾患の鍼灸治療

眼科疾患に対する鍼灸治療の可能性

 

日本国内では、鍼灸治療による眼科疾患の施術を行う鍼灸院が複数あります。

ところが、西洋医学との提携がないため、一般的には認知度が高いとは言えません。

 

慢性的に進行する眼科疾患では、経過観察しか出来ないものが数多く存在します。

鍼灸治療は、こうした慢性的に進行する眼科疾患に対して、一定の臨床効果を発揮するものがあります。

 

<初めに>

 

当院で一定の効果が確認されている眼科疾患は、次のようなものです。

 

・特発性黄斑変性症

・中心性漿液性脈絡網膜症

・正常眼圧緑内障

・網膜色素変性症

・脈絡膜新生血管

 

人により差はありますが、3ヶ月程度で変化が現れ、6ヶ月程度でその変化は一旦落ち着きます。

その後は、症状の進行を予防するための施術になります。

 

<鍼灸治療の説明>

 

鍼灸治療は大きく二つの目的で行います。

 

1.眼底周辺の血流改善による抗炎症作用と栄養補給

2.心身の状態を良くすることで視能力を回復

 

眼底周辺領域は、眼および網膜の構造上の問題によって引き起こされる、機械的ストレスが原因で炎症および循環障害が発生する可能性がある部位です。

こうした状態が長引くことで、組織や細胞には、壊滅的な被害が及ぶことがあります。

また血流障害が長引くと、栄養状態や酸素不足を解決するために、新生血管が作られるようになります。

新生血管は破れやすいため、しばしば内出血を起こします。

内出血を起こした部位では、視野の欠損や組織の変性が起こるようになります。

鍼灸治療は、眼底部の血流を増やすことが出来ますので、こうした新生血管を防ぐことで、様々な眼科疾患の発生を防ぎます。

 

次に、鍼灸治療により、心身の状態を良くするということについて、ご説明します。

心身のストレスは、脳に対して負の影響をもたらします。こうしたストレスを感じた脳では、ストレスに対抗するために様々な反応を示します。

その一つが自律神経の働きです。ストレスに敏感に反応するのは、自律神経のうち、交感神経です。

交感神経は、毛細血管を収縮させる働きがあります。交感神経が強く働くと、眼底部の血管が収縮することで、血流も悪くなります。

鍼灸治療は、交感神経の働きを防ぎ、副交感神経を優位にするため、血流を回復させることが出来ます。

 

<実際の施術内容>

 

<目の周辺の施術>

目の周辺のツボを刺激します。

<後頚部の施術>

後頚部の施術も、眼底部の血流を回復させます。

<遠隔部の施術>

遠隔部にも、眼底の血流を改善するツボがたくさんあります。

 

鍼を刺す場所は、全体で15本以内です。痛みもそう強くないため、多くの人に受けて頂けると思います。

 

※この文章は、英文で作られたものの原本です。<参考リンク:Acupuncture for ophthalmologic diseases>

多少日本語が読みにくい部分もあると思いますが、ご容赦下さい。眼科鍼灸が、眼科鍼灸の選択肢として、もっと広まることを祈念して、翻訳ソフトを利用して作成しました。

 

<さらに詳しく>

 

眼科鍼灸の網膜へのアプローチ

 

網膜周辺での血流障害は、その後様々な網膜の変化を起こす原因となります。

鍼灸治療では、網膜の血流を遠隔部位、近接部位の刺激により、優位に改善できるため、こうした網膜周辺の血流障害による変化を防ぐ働きがあると考えられます。

<参考リンク:遠隔部経穴への鍼刺激が眼循環動態に及ぼす影響

 

<循環障害は様々な変化をもたらす>

眼球の底にあたる、網膜や脈絡膜、黄斑部周辺などの眼底部は、眼球内でも最もストレスのかかる部位だと思われます。

特に近視傾向がある方では、眼球の奥行きが深いため、物理的な力が、眼底部に常にかかってしまいます。

 

こうした物理的な刺激も、循環障害や炎症症状の一因になるかもしれません。

眼底部で血流障害や炎症が継続的に起こると、最初は機能が低下する程度ですが、徐々に組織自体にも変化が起こるようになります。

 

1.浮腫

 

循環障害が慢性的に起こるようになると、血管の内圧が上がるため、押し出された血漿成分が、浮腫となります。

脈絡膜で浮腫が起こると、見える画像に歪みが生じたり、黒や黄色のフィルターを通したように見えたりします。

以前、当院にご来院された患者さまからのお話では、八百屋に売っている普通のスイカが、小玉スイカに見えたことで気が付いた、という方がいらっしゃいました。

浮腫が起こっている人の場合でも、症状がひどくなければ、浮腫自体に、全く気が付かない人もいらっしゃいます。

浮腫の段階でしっかり対応できれば、その後起こる様々な変化を予防することが出来ると思われます。

鍼灸治療は、こうした進行予防に強みを発揮します。

 

2.新生血管

 

循環障害が継続して続くと、栄養や酸素の不足を補うために、新たな側副路として、新生血管が出来ることがあります。(脈絡膜新生血管など)

新生血管は、突貫作業で作られた、本来の経路ではないためか、出血しやすい傾向があります。

最もストレスがかかりやすい眼底部で出血すると、ある日突然目の前が真っ暗になったり、見える景色が欠けるといった症状が出ることがあります。

出血した後、瘢痕化してしまうと、視野の欠けとして後遺症が残ってしまうことがあるため、出血を未然に防ぐことや、出血後速やかに止血し、組織を修復することが重要です。

出血直後には、新生血管の増殖を防ぐ、眼内注射が主流ですが、

 

3.変性

 

出血後、組織が瘢痕化してしまうと、組織が変性したことで視野の欠損などが起こります。(黄斑変性症など)

また出血しなくても、循環障害が継続することで、組織が栄養不良や慢性的な炎症により、変性してしまうことがあります。(黄斑変性、点状脈絡膜内層症など)

一度変性した組織を修復することは、現代の医学では難しいため、変性の前兆(浮腫や新生血管)が現れた時に、進行を予防するという考え方は、非常に重要です。

鍼灸治療などは、こうした症状の進行予防に有効です。

 

ストレスと眼科症状

 

BDNF(脳由来神経栄養因子)は、神経の機能を維持するために必要な物質の一つです。

BDNFは、うつ病などの精神疾患では、減少することが分かっています。BDNFが減少すると、脳機能が大きく損なわれ、神経細胞事態も傷付いてしまいます。

人はストレスを感じると、報酬系と呼ばれる回路が活発に働き、脳内物質の分泌が行われることで、前向き感を作り出し、ストレスに対抗します。

ところが、BDNFが少なくなると、この報酬系が働かず、前向き感が失われるため、常に不安感に悩まされるようになります。

 

眼科疾患の方では、このBDNFが少なくなっていることが、最近の研究では分かっています。BDNFが少なくなっているから眼科疾患になるのか、眼科疾患になったため、BDNFが少なくなったのかは不明ですが、BDNFが増えることで、眼科疾患に伴う不安症状が少なくなることは確かなようです。

現在のところ、はっきりと分っているだけでも、加齢性黄斑変性症、開放性隅角緑内障、ドライアイでは、血中のBDNFが少なくなっていることが分かっています。

<参考>

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30025135
(加齢黄斑変性患者のBDNFと網膜層厚との相関)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30833600
(BDNF発現が涙液分泌およびDEDの病理に関連)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28068360
(緑内障の段階間でのBDNFの血清レベルの調査)

 

鍼灸治療を受けると、このBDNFが増えることが分かっています。BDNFが回復する働きがあることから、精神科疾患にも以前から鍼灸治療は用いられてきました。

それが、眼科疾患においても、BDNFの回復という面において、眼科症状の回復が期待出来るということです。

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鍼灸ひより堂