#
#

ブログ

blog

加齢黄斑変性症(AMD)とBDNF(脳由来神経栄養因子)【眼科鍼灸】

加齢黄斑変性症がなぜ鍼灸治療で良くなるのか

 

加齢黄斑変性症とは

 

加齢黄斑変性症(AMD)は、高齢者の約1%に見られる、失明原因第4位の眼科疾患です。眼底部の血行障害や炎症が原因で、網膜の黄斑部(一番視力に関係する部分)が変性してしまいます。

 

症状としては、視野の歪みや欠損を主症状としており、放置しておくと社会的失明に繋がることもあります。

最近では、抗VEGF(血管新生阻害薬)を注射で眼球内に投与することで、新生血管を防いで進行を止める方法が選択されています。

ところがこの注射は、繰り返しになることも多く、繰り返すほどに頻度が高くなることも多いため、それ以外の根本的な治療も求められています。

そこで新たな可能性として、当院で行っている鍼灸治療をご紹介したいと思います。

 

鍼灸治療は眼底部の血行を増やす

 

鍼灸治療は、自律神経を調整することで、手が届かない眼底部の血流をコントロールすることが出来ます。

数千年前からこうした目に対する働きが分かっていたため、鍼灸で使うツボの中には、視力に関係する名前のツボが存在します。(光明 承光 晴明など)

目の周囲のツボが多いですが、1~3mm程度の軽い刺激で、眼底部の血流を増やすことが出来るため、非常に安全で痛みのない施術です。

 

眼底部の血流増加以外にも理由が

 

この加齢黄斑変性症には、BDNF(脳由来神経栄養因子)という因子がとても重要な役割を担っているようです。

 

加齢黄斑変性症では、血行障害や炎症により、網膜が変性を起こします。この網膜の変性を防ぐ役割が、BDNFにはあるとされています。

BDNFは、中枢神経の神経を保護する役割があるのですが、加齢黄斑変性症患者では、この血清中BDNFが少なくなっていることが分かっています。

 

【加齢黄斑変性患者の脳由来神経栄養因子と網膜層厚との相関】

<参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30025135>

 23人の萎縮性および25人の滲出性患者と25人の対照被験者(対照群)で構成される合計48人の加齢黄斑変性症患者(AMD群)で研究を行いました。その結果、房水(眼房水) の平均BDNFレベルは、非滲出性および滲出性加齢黄斑変性症群の両方で、対照群よりも有意に低いことが判明しました(それぞれP = 0.003およびP <0.001)。

 

実は鍼灸治療は、以前から、このBDNFを増やす作用があることが注目されていました。

 

【鍼治療の神経保護の役割とBDNFシグナル伝達経路の活性化】

<参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24566146>

最近、神経障害における鍼治療の神経保護効果を調べるために、多くの研究が行われています。鍼治療による神経保護効果は、シグナル伝達経路の変化に関連しています。こうして蓄積されたデータは、ニューロトロフィン(NT)ファミリーのタンパク質、特に脳由来神経栄養因子(BDNF)などの内因性の生物学的メディエーターの関与を示唆しています。つまり鍼治療は、BDNFの発現と活性化を介して神経変性を抑制することが出来ると考えられます。さらに、最近の研究では、鍼治療は局所刺激でATPレベルを上昇させることができると報告されています。また、鍼治療は単球を活性化し、ATPの刺激を介して、BDNFの発現を増加させる可能性があります。

 

鍼灸治療によりBDNFが増えれば、網膜や視神経などの神経線維が保護され、加齢黄斑変性症の症状進行を予防することが出来ると思われます。

こうした基礎研究で分かってくることは、今までに私たちが臨床で経験した、眼科鍼灸の働きを証明してくれます。

 

鍼灸治療頻度は目的と症状によります

 

施術の頻度は、目的と症状により変わります。現在も症状が進行しており、少しでも早く症状の進行を止めたい場合には、週2回の頻度が良いと思います。

症状の変化がなく、緩解状態であれば、週1回の頻度でも良いと思います。

 

施術の頻度は、3か月ごとに見直しながら、徐々に頻度を減らすようにしますが、これも症状や目的により臨機応変に変えていきます。

一番の目的は、加齢性黄斑変性症の患者さまが、安心して前向きに生活出来る事ですから、あなたにとって通いやすい頻度と治療効果のバランスを考えて決定出来ればと思います。

 

ご相談のみでもお気軽にお問い合わせ下さい。

#

鍼灸ひより堂