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三叉神経痛と偏頭痛を鍼灸治療で解消

首から上の知覚は殆どが三叉神経が支配

 

三叉神経は、首から上の主に顔面部の知覚を支配する神経です。「三叉(さんさ)」とは、三つ又を意味しているため、三つ又に分かれた神経であることが分かります。

この三叉神経は、単に顔面部の痛みを感じるだけではなく、歯痛や眼痛、偏頭痛とも関係が深い神経なのです。

三叉神経の働きを正常化するだけでも、首から上の痛みでお悩みの人は、とても快適な日々を送ることが出来るはずです。

 

三叉神経痛とは

 

三叉神経痛は、よく見られる整形外科疾患で、耳の辺りから三つ又に分岐する三叉神経で起こった、血行障害や炎症が原因で起こる痛みのことです。(特発性三叉神経痛)

三叉神経の走行に沿って起こるため、顔面の広範囲に渡る部位や、上下の歯に入っている歯髄、眼球に入っている眼神経にも起こることがあります。

上の図を見て頂くと、顔のほとんどの部分が、三叉神経によって支配されていることが分かります。

 

三叉神経痛(特発性三叉神経痛)は、非常に強い痛みが、特徴の一つです。三叉神経が走行している部分が、一瞬から長くても数十秒の間、激烈に痛みます。

三叉神経痛は、季節の変動や気候の変動の影響を受けやすいため、恐らく自律神経などとも深い関係があると思われます。

 

三叉神経痛の中でも、特に気を付けなくてはいけないことは、脳腫瘍やヘルペスウイルスの感染による帯状疱疹などの鑑別診断です。

安心のためには、一度病院での確定診断を受けた上で、鍼灸院などを訪問する方が良いと思います。

もし脳腫瘍であれば、鍼灸の不適応疾患ですし、帯状疱疹の場合には、不適応ではありませんが、抗ウイルス薬での投薬治療が第一選択になるべきです。

投薬治療の補助としてや、投薬でも治らないヘルペス後神経痛などは、鍼灸治療が大いに活躍すると思います。

 

偏頭痛と三叉神経

 

偏頭痛は、頭の血管が急激に拡張することで、激しい頭痛を訴えるものですが、この偏頭痛と三叉神経には密接な関係があると言われています。

【参考:偏頭痛(片頭痛)の痛みを薬を使わずに和らげる鍼灸治療

 

現在のところ、連鎖的に起こる、頭の血管が拡張するきっかけになるのが、三叉神経に起こった血行障害や炎症だとされています。

三叉神経の炎症や血行障害がきっかけになり、脳内物質セロトニンが放出されることで、血管が急激に拡張し、頭痛が起こるというのです。

 

三叉神経が知覚過敏になると

 

三叉神経が過敏になってしまうと、普段はどうということもない刺激に対しても、敏感に反応する様になります。

三叉神経が過敏になる時には、三叉神経が炎症を持っていることが多いため、出来るだけ早く神経の炎症を鎮めるために、血流をスムーズにして炎症物質を取り去る必要があります。

 

・点眼薬がしみて点眼できないドライアイ
・点眼薬が効かない目の強いかゆみ
・まぶたが重い感じ
・目がかすむ、二重に見える
・近くが急に見えづらくなった
・目の奥やこめかみが痛い
・首こりや肩こり
・偏頭痛
・涙が止まらない
・まぶしい

 

三叉神経は知覚を顔面神経は運動を司る

 

よく三叉神経と勘違いされる神経に、顔面部を通る顔面神経があります。名前が顔面神経というだけに、顔の知覚に関しても影響しそうですが、そうではありません。

顔面神経は、顔面部においては表情筋の運動を支配をするのみで、知覚に関しては支配していません。そのため、顔面神経痛というものはありませんが、顔面神経麻痺というものは存在するのです。

 

顔が歪んでしまう顔面神経麻痺では、三叉神経痛のような強い痛みはありませんが、顔面部の運動マヒが起こるため、まぶたの開け閉めが出来ず、角膜が損傷することで、三叉神経(眼神経)に痛みを感じることはあります。

感覚神経と知覚神経は、1つの神経に合わせて混在することもありますが、顔面部に関しては三叉神経のみが関係していると思って頂けば結構です。

 

三叉神経に対する鍼灸治療

 

三叉神経の周辺で起こった炎症や血行障害は、三叉神経を刺激する原因となり、結果的に三叉神経痛や偏頭痛を起こす原因となります。

そのため、三叉神経周辺の血行を良くすることで炎症を早く鎮め、知覚情報をブロックして鎮痛する目的で、鍼灸治療を行います。

 

鍼灸治療では、複数の鎮痛メカニズムが同時に働いていると思われます。

ゲートコントロール説や下行制抑制系、広汎性侵害抑制調節(DNIC)、ストレス性鎮痛、末梢性鎮痛など、多くの鎮痛メカニズムが働くことで、種々の痛みに対して、鍼灸という一つの治療法で働き掛けることが出来るのだと思われます。

 

ここでは特に、遠隔治療についてご紹介します。遠隔治療は、経絡を使用した東洋医学的なアプローチを行います。

 

三叉神経は、耳の前から顔全体を覆うように走っていますので、顔面部を走行する経絡がターゲットになります。

顔面部を走行する経絡は、手足の陽明経(陽明大腸経・陽明胃経)と手足の少陽系(少陽三焦経・少陽胆経)、そして手足の太陽経(太陽膀胱経・太陽小腸経)になります。

全て陽経であることからも、顔面部がとても陽気が多い場所であることが分かります。陽気が多い場所ですから、痛みや炎症もとても強烈で、ハッキリとした現れ方をします。

鍼灸治療を行う場合には、余りにも刺激を増やし過ぎると、返って痛みが強くなる傾向があります。陽気の強い場所では、特に炎症を持ちやすいので、刺激量やツボの選択には工夫が必要です。

 

局所と遠隔をバランスよく配穴することで、症状が一時的にでも悪化することなく、鎮まってくれるように施術をしていきます。

痛みが激烈な時には、陽明経を遠隔的に使用すると、痛みが治まりやすい傾向があります。痛みが軽くなってくれば、局所的なツボを増やすことで、より早く治すことが出来ます。

 

陽明経から出る痛みはとても強く、三叉神経痛が陽明経に出ている場合には、特に注意が必要です。歯科治療の後、三叉神経痛や偏頭痛が出ることがありますが、こうした痛みは特別な注意を必要とします。

ペインクリニックに通っても除痛し切れない痛みも、鍼灸治療で上手く施術すると治まることもあります。

 

古来から、陽明経の変動は、精神科疾患とも深い関係があるとされています。そのため、陽明経に出る強い痛みに伴い、精神症状が出てきた場合なども、ぜひ鍼灸治療を利用してみて下さい。

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鍼灸ひより堂