#
#

ブログ

blog

多嚢胞性卵巣症候群の方は排卵誘発剤にご注意

自分を守るための知識

 

多嚢胞性卵巣症候群(以下PCOS)は、非常によく見られる排卵障害の一種です。

PCOSの女性は、育ちかけの卵胞が複数存在するため、無計画な排卵誘発は禁物です。

ところが、無計画な排卵誘発は未だに行われているため、重大な副作用に苦しむ方がいらっしゃいます。

そこで、自己防衛の手段として、PCOSの女性に知って頂きたいことをご紹介します。

 

多嚢胞性卵巣症候群の特徴

 

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、血液検査でLH(黄体刺激ホルモン)がFSH(卵巣刺激ホルモン)よりも多いことと、経膣エコー画像で、卵巣に多くの未成熟卵胞が見られることで診断されます。

 

 

多嚢胞性卵巣症候群では、排卵誘発剤を使用した際に、この未成熟な卵胞が一斉に大きくなることがあります。

卵巣の大きさが直径約4cmであるのに対して、成熟した卵胞は直径が約2cmになるため、複数個成熟することで、卵巣が大きく腫れてしまいます。

 

また、複数個卵胞が育つためには大量の血液が必要であるため、卵巣に大量の血液が流れ込みます。

この大量に流れ込んだ血液から、血漿成分(水分)が押し出されるため、多くの卵胞が育ち過ぎると、漏れ出た血漿成分により腹水が溜まってしまいます。

腹水が多く作られると、相対的に血液中の水分が失われるため、血液濃度が高くなり、血栓を作りやすくなります。

さらに、PCOSの女性は、元々血栓を作りやすい体質(血液凝固異常)を持っている方が多いため、より血栓症になりやすいのです。

 

こうした腹水が溜まることで、血栓症を作りやすくなる状態を、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)と言います。

PCOSに対する排卵誘発は、OHSSは切っても切れない関係があり、そのリスクを回避しながら不妊治療を行うことが、婦人会としての腕の見せ所なのです。

 

多嚢胞性卵巣症候群と排卵誘発

 

世界的なガイドラインでは、多嚢胞生卵巣証拠軍の女性に対して排卵誘発を行う場合には、第一選択はレトロゾール(商品名:フェマーラ)になっています。

ところが日本では、フェマーラを積極的に使用しない婦人科も多く、無理にFSH製剤を多用することで、OHSSを誘発してしまいます。

 

しっかりと管理されていると、FSH製剤を使用して排卵誘発をすることに問題はありませんが、管理が不十分だったり、不必要な場合には、OHSSにより命を危険に晒すことになります。

 

特に、タイミング法や人工授精のために排卵誘発をする場合には、複数個卵胞が排卵することで、多胎妊娠のリスクも高くなります。

妊活中の女性の中には、2人を1度に妊娠すれば、一石二鳥だと思う方がいるようですが、多胎妊娠はそんなに甘いものではありません。

 

出来るだけ単胎での妊娠を目指すことは、タイミング法や人工授精では当たり前の事です。

複数個の排卵は、クロミッドなどの比較的軽い投薬でも起こる可能性があるため、出来るだけ一つだけ排卵させる為には、レトロゾール(フェマーラ)の使用が望ましいのです。

 

OHSSは、卵胞が複数個成長したことにプラスして、一般的に『切り替えの注射』と表現される、hcg注射で卵胞を成熟させることで起こります。

そのため、タイミング法や人工授精の際に、卵胞が複数個育ってしまった時には、切り替え注射をする必要があるのかというのは、かなり疑問を感じます。

 

当院に来院されたことがある患者さんの中にも、このPCOSに対する排卵誘発で、かなり危険な状態になった方が複数いらっしゃいます。

 

OHSSを発症させる医師は、複数回頻発させる傾向があるため、PCOSの女性は、病院選びを慎重にするべきです。

 

多嚢胞性卵巣症候群の女性は体外受精に有利?

 

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の女性は、複数の卵胞が育ちやすいため、強刺激で排卵誘発をすると、複数個の採卵が出来ることが多いようです。

但し、複数個卵胞が育つと、OHSSの確率は高くなるため、厳密な管理が必要なことは言うまでもありません。

 

また、沢山の卵胞が育ったからといって、全てが質の良い受精卵になるとは限りません。

更に、血液が固まりやすいと言う体質が、着床や妊娠の維持を邪魔することがあるため、必ずしも有利だとは言えません。

 

ただ採卵数が多いということに関しては、非常に良いこと出すから、その利点を活かしながら体外受精を成功させる方法があれば、成功の確率は上がります。

 

鍼灸治療と多嚢胞性卵巣症候群

 

先ほどまでご紹介した、PCOSの特徴や体外受精でのマイナス面を補う存在が、私たちが行う鍼灸治療です。

海外での不妊鍼灸の症例の多くが、PCOSの体外受精における投薬との併用なのは、恐らくそのことをよく理解しているためだと思われます。

 

数多くの採卵が出来る代わりに、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)を起こしやすく、腹水や血栓による副作用で命の危険があるため、その解消に鍼灸治療を使用しているのです。

元々鍼灸治療には、血液の循環を良くすることで浮腫(むくみ)を防いだり、自律神経に働き掛けることで、血液凝固を防ぐ作用があります。

 

こうした鍼灸治療の働きで、PCOSの女性が体外受精で起こるマイナス面を打ち消して、より成功率を高めているあのです。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28077366
<体外受精または顕微を受けているPCOSの女性における鍼治療の有効性>

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26054202
<PCOS患者では、電気鍼療法により卵子の質と妊娠に対する変化が生じる>

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21894688
<電気鍼療法は妊娠率の改善と卵子の質改善>

 

海外では、電気鍼と呼ばれる低周波パルス通電が行われることが多いですが、当院では通電は行っていません。

低周波パルス通電を行わなくても、効果の違いを感じないからです。

 

患者さんが感じる苦痛は、出来るだけ少ない方がよくストレスを感じない施術が、最も効果が高いと思われますので、安心してご来院下さい。

#

鍼灸ひより堂