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卵胞のことを知れば妊活が変わる【AMH・FSH・LH・E2・P4・排卵の秘密】

卵胞を知ることは妊活を知ること

 

卵胞という細胞をご存知でしょうか?中には、「卵胞が細胞?」という方も多いかもしれません。

卵胞のことを、ちょうど鶏卵のような、卵の殻だと思っている方が多いのではないでしょうか?

卵胞には2種類の細胞が存在していて、この2種類の細胞が協力することで、妊活に必要な女性ホルモンを作っています。

卵胞は、卵の殻というよりも、妊活の主役を担う細胞の固まりなのです。

 

 

そこで、妊活の主役である卵胞について深く知って頂き、今後の妊活がより快適になるお手伝いが出来ればと思っています。

 

卵胞には2種類の細胞がある

 

卵子を包む卵胞には、2種類の卵胞細胞があります。外側を莢膜(きょうまく)細胞、そして内側を顆粒膜細胞と言います。

この2つの細胞が協力することで、卵胞ホルモンであるエストロゲン(E2)と黄体ホルモンであるプロゲステロン(P4)を作り出します。

では、エストロゲンプロゲステロンが作られる過程を、もう少し詳しくご紹介しましょう。

この2つの女性ホルモンの内、最初に作られるのはエストロゲン(E2)です。プロゲステロンは、排卵した後の卵胞細胞から作られます。

それでは最初に、エストロゲンの生成過程を見てみましょう。

 

エストロゲンは共同作業で作られる

 

エストロゲンを作るためには、脳下垂体から分泌される2つのホルモンが必要です。

まず1つ目のホルモンは、黄体形成ホルモンと呼ばれるLHです。

LHは卵胞にある2つの細胞の内、莢膜細胞に働き掛けます。LHが莢膜細胞に働くと、血液中のコレステロールをアンドロゲンというホルモンに変換します。

このアンドロゲンは、テストステロンとも呼ばれる、男性ホルモンの一種です。この莢膜細胞でLHが働き、男性ホルモンを作るということは、とても大切な反応です。

これに関しては、また後でご説明します。

 

次に、下垂体から分泌される2つ目のホルモンである卵胞刺激ホルモンは、英語の頭文字をとってFSHと言われます。

FSHは、排卵誘発剤としても有名な、卵胞を成長させるためのホルモンです。

 

このFSHは、卵胞の内側にある顆粒膜細胞に対して働き、莢膜細胞で作られたアンドロゲンを、アロマターゼという酵素を使い、エストロゲン(E2)に変換する働きがあります。

 

顆粒膜細胞は、卵子に栄養を送る働きもあることから、卵の質にも関係していると思われます。

 

エストロゲンが排卵のスイッチ

 

莢膜細胞と顆粒膜細胞の共同作業で生成し、血液中に分泌されたエストロゲンは、血液循環で全身に運ばれます。

この時、血液循環で運ばれたエストロゲンが、脳の視床下部に大量に届くようになると、視床下部から脳下垂体に対して、更にホルモン分泌をするように働き掛けます。

 

卵胞が育つ段階では、脳下垂体からLHとFSHの2種類のホルモンが分泌されていましたが、エストロゲンが多く分泌されるようになると、卵胞の顆粒膜細胞からはインヒビンというホルモンが分泌され、FSHの分泌を抑制します。

そのため、十分に卵胞が育っていると、脳下垂体からは、LHのみが大量に分泌されることになります。

 

こうしたLHの大量分泌をLHサージと言います。このLHサージがきっかけとなって、卵胞の中から卵子が飛び出す排卵が起こります。

排卵は、血中LHサージ開始から34~36時間、血中LHサージのピークからは10~12時間で起こるため、排卵検査薬を複数回使うことで、ある程度予測出来ます。

こうして、正常に排卵が起こるためには、脳でのホルモン分泌と卵胞の成長、そして卵胞から分泌されるエストロゲン、更に卵胞から分泌されるインヒビンといった、多くの過程が必要なのです。

 

排卵後の卵胞からは黄体ホルモンが作られる

 

排卵が終わると、卵胞の中に合った二つの細胞である莢膜細胞と顆粒膜細胞は、黄体莢膜細胞と黄体顆粒膜細胞へと変化します。

この二つの細胞を併せて、黄体と呼んでいます。

黄体からは、黄体ホルモンであるプロゲステロンが生成・分泌されます。プロゲステロンが分泌されるようになると、体温が上がり高温期となります。

また子宮内膜は、プロゲステロンの働きで着床しやすい状態に変化していきます。こうした子宮内膜の変化を、脱落膜化といいます。

 

脱落膜化が起こった子宮内膜に、ほどよく分割した受精卵が着床すると、妊娠が成立します。この着床に適した子宮内膜の変化を、「着床の窓」という言い方をします。

着床が起こらないと、子宮内膜はその名の通り脱落し、生理(月経)が起こります。

 

こうした、一連の排卵から脱落膜化、そして着床という過程も、最初の「卵胞が育つ」という過程からの続きであることがお判り頂けたと思います。

 

卵胞は常に成長し続ける

 

卵胞が成長し、そして排卵し、黄体となり生理が起こるというサイクルは、一見すると約1カ月で起こっているように思われがちです。

ただ実際には、こうしたホルモンによる卵胞の成長は、数か月単位で起こっているものです。

 

原子卵胞と呼ばれる段階から、排卵されるまでは約180日。その中で、ホルモンの影響を受けて大きくなる期間は、約3カ月だと言われています。

つまり、今月排卵した卵胞は、180日前に目を覚まし、90日前からホルモンを受け取って成長をし始めたということになります。

 

そのため、排卵が終わった後でも、次の周期以降に排卵する卵胞の赤ちゃんは、卵巣の片隅で成長をし続けているということになります。

 

成長しかけの卵胞から分泌されるAMH

 

ホルモンの影響を受けて成長を続けている、成長途中の卵胞の赤ちゃんは、AMHというホルモンを分泌しています。

このAMHには、卵胞の成長を抑制する働きがあり、AMHが極端に高い人は、卵胞が成長出来ないため、小さいまま卵巣内に残ります。

そのためAMHは、高過ぎてもいけないということになります。

 

卵胞の成長が順調であれば、卵胞の顆粒膜細胞からは、インヒビンというホルモンが分泌され、FSHの分泌を抑制するというお話を、上の項目で書きました。

このインヒビンには、FSHの分泌を抑制するだけでなく、FSHの感受性を高めるという働きもあります。

 

この一見相反するような働きのお蔭で、数多く育っていた卵胞は、1つだけが大きく成長する様になります。

つまり、ある特定の卵胞だけが、FSHの恩恵を受けることが出来るようになるのです。

この頃(成熟卵胞)になると、AMHは卵胞から分泌されないようになっています。

<参考:みんな気になるAMHを詳しく解説

 

成長途中の一時期だけ卵胞から分泌されるAMHは、成長し始めの段階で、卵胞がどのくらいの量(数)育っているかの目安になります。

これが卵巣予備機能として、卵巣の若さと理解されるようになった理由です。

 

AMHが高い人は、赤ちゃんの卵胞がたくさんありますので、排卵誘発剤の使用によりFSHの制限を無くすと、そのままの数が成長するため、非常に多くの卵胞が育ちます。

AMHが非常に高い多嚢胞性卵巣症候群の方が、排卵誘発剤を使用すると、非常に多くの卵胞が育つのはそのためです。

 

逆にAMHが低い人では、赤ちゃんの卵胞が少ないため、排卵誘発剤を使用してもそれほど卵胞は育たないため、AMHは排卵誘発の目安になる数値だとされています。

 

良い卵胞を育てるには

 

良い卵胞が育つためには、幾つかの条件があります。

 

①FSHが低いこと

②FSHとLHのバランスが良いこと

③卵胞周囲の血流が良いこと

④卵胞の成長に必要な栄養が足りていること

 

こうした条件を満たしていると、あなたの卵胞はとてもよく育ち、中の卵も質の良い卵になります。

 

①FSHが低いこと

 

FSHは、卵胞の成長には欠かせないホルモンですので、血中のFSHが低いと、卵胞が大きく成長しません。

その一方で、FSHが高くなり過ぎると、卵胞のFSHに対する感受性が悪くなることで、卵胞が育たなくなります。

つまりFSHは、高過ぎても低すぎても、卵胞が成長出来ないということです。

 

卵巣のFSH感受性が低くなると、卵胞で作られるエストロゲンが十分に作られません。

エストロゲンを感知する働きがある脳の視床下部は、エストロゲンが十分に作られていないことを感知し、脳下垂体に対してFSHの分泌を命令します。

 

FSHの分泌量が増えると、卵胞のFSHに対する感受性が悪くなり、更に卵胞は成長しにくくなります。

こうして、卵胞が成長しないためFSHが上がり、FSHが上がるため卵胞が成長しないというジレンマに陥ります。

 

卵胞が成長しやすいFSHの目安は、一ケタ台だと言われています。

FSHが二ケタになると、卵胞の成長が悪くなるため、FSHを下げるために様々な方法が取られます。

 

専門病院では、視床下部がエストロゲンを感知すると結果的にFSHは下がるため、投薬でエストロゲンを補うことで、FSHを下げるという方法が取られることもあります。

 

②FSHとLHのバランスが良いこと

 

FSHとLHはバランスがとても大事です。上の項目でご説明したように、FSHとLHは、共同作業でエストロゲンを作っています。

LHは男性ホルモンであるアンドロゲンを作り、その後FSHがエストロゲンに変換しているのです。

 

もしこの時、二つのホルモンがバランスを崩し、LHが大量に分泌されると、男性ホルモンが多く作られ過ぎてしまい、卵胞の成長が阻害されてしまいます。

FSHは一桁が卵胞の成長に適していますので、それ以下にLHが保たれていなければ、アンドロゲンが増えすぎてしまい、卵胞は上手く育たなくなってしまいます。

こうしたLHが高くなり過ぎてしまい、卵胞の成長が抑制された状態の人を、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といいます。

LHが高くなる原因としては、インスリンの働きが鈍くなる、インスリン抵抗性があります。

<参考:妊活とインスリン抵抗性の関係を不妊鍼灸専門の鍼灸師が解説

 

③卵胞周囲の血流が良いこと

 

卵胞の発育や卵の質は、卵巣周囲の血流と比例しています。卵胞の成長には、血流によって運ばれてきた、ホルモンや栄養、酸素が必要だからです。

 

様々な臨床試験や研究でも、こうした血流と卵胞の成長は深い関係があるとされています。鍼灸治療は、こうした卵巣の血流に影響を与えるため、妊活に適しているのだと思われます。

 

卵胞の血流と最も関係が深いのは、自立神経の働きです。卵巣に血液を送り込む血管は、自律神経が支配しているため、自律神経を上手く調整することが出来ると、卵巣にたくさんの血液を送ることが出来ます。

 

血管の収縮には交感神経が、血管の拡張には副交感神経が関係しているため、交感神経を鎮め、副交感神経を高めると、卵巣に多くの血液が送られ卵胞も大きく育ちます。

 

交感神経は緊張状態で働きますので、ストレスを抱えていると卵巣の血流は悪くなりがちです。逆に、上手くストレス解消が出来て、リラックス状態を作れていると、副交感神経が働くことで、卵巣の血流が多くなり、卵胞は大きく育ちます。

 

妊活には、精神的な安定がとても重要だということです。ぜひ心掛けてみて下さい。

もし不安なことがあるようなら、ぜひご相談下さい。

 

 

④卵胞の成長に必要な栄養が足りていること

 

卵胞の成長には、様々な栄養が必要になります。その中でも、最近注目されている栄養素は、ビタミンDです。

ビタミンDは、骨形成に必要なビタミンとして有名ですが、このビタミンDは卵胞の成長や、卵の質にとても重要な働きをしています。

 

ビタミンD不足は、着床障害の原因にもなるため、最近の専門病院では、複数回胚移植に失敗した人に対しては、血液検査をしてくれます。

私が知る限りでは、この検査を受けた人の内、かなりの割合の方が検査に引っ掛かるように思います。

 

「妊活が上手くいかない人は、取りあえずビタミンⅮを調べた方が良いのではないの?」というくらい、検査ではよく引っ掛かります。

ただビタミンDが足りないと、絶対に卵胞が育たないわけではありませんし、着床しないわけではありません。

 

それでも、ビタミンDを高くすることで、妊活が上手くいくことも多いため、予めビタミンDを高くする努力はしていても良いように思います。

ビタミンDは、紫外線を浴びることで、皮膚で合成されるビタミンです。ところが最近は、美肌への憧れや皮膚がんへの恐怖からか、紫外線を避けるため、ビタミンD不足の女性は多いようです。

 

ビタミンDが不足すると、妊娠しにくいだけでなく、赤ちゃんの成長や母体の健康状態にも影響するため、病院ではサプリメントでの摂取を勧めています。

ビタミンDのサプリメントは、非常に吸収率が悪く、かなりの量をサプリメントで摂っていても、血液検査で改善が認められないことがあります。

 

そういった時には、消化吸収機能を高めるための鍼灸治療を受けて頂くと、比較的短期間で数値が上がるということを複数確認しています。

或いは、時期にもよりますが、この時期だけ積極的に紫外線を浴びて頂くという方法もあります。

 

まとめ

 

卵胞は、ただ単に卵の殻というわけではなく、ホルモン分泌や卵を育てる主役である、細胞たちの固まりです。

良い卵胞を育てることが、良いホルモン分泌に繋がり、良い卵を育てることに繋がり、適切な量のAMHを分泌することに繋がり、良い子宮内膜を作ることに繋がります。

 

それは妊娠という大きな目標だけでなく、妊娠の維持、そして出産という最大の目標にも繋がる、とても大事な第一歩なのです。

良い卵胞を育てることが出来れば、あなたの妊活は大きなアドバンテージを得ることが出来ます。

 

卵胞にこだわった鍼灸治療を受けてみたいという方は、ぜひご相談下さい。

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鍼灸ひより堂