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近視性黄斑変性症に対する鍼灸治療の一例<動画付き>

眼科疾患には自己管理も大事だと痛感

 

<患者>

 

大阪府在住 50代(初診当時は40代) 看護師

 

<病名>

 

近視性黄斑変性症

 

<来院までの経緯>

 

元々強度近視のため、網膜剥離になりやすいという自覚があり、定期的に掛かり付けの眼科を受診していた。

ところが、2011年のある日のこと、突然左眼に眼底出血を起こしてしまい、掛かり付けの眼科医を受診しました。

掛かり付け医は網膜の専門医ではなかったからか、止血剤を服用した上で、経過観察を指示された。

出血は治まったが、視野の中に残った歪みは、そのまま経過観察と言われた。(動画参照)

 

その後、2013年に右眼の視野に歪みが発症し、掛かり付け医の紹介で、大阪市内の大学病院を受診。

検査の結果、新生血管に対する硝子体へのアバスチン注射の適応と診断された。

そこで、硝子体内注射を受けた上で、何か他の治療もないかと探していたところ、眼科疾患に対して鍼灸治療を行う鍼灸院があることを知った。

 

愛知県一宮市の千秋鍼灸院のHP内で、大阪市内に提携治療院があることを知り、アバスチン注射の2日後に、ひより堂鍼灸整骨院(当時)で、初めての鍼灸治療を受けることになった。

 

<初診の様子>

 

仕事柄(看護師)、医学的な知識はあったものの、鍼灸治療は全くの初めてで、鍼自体も見たことがない状態だったそうです。

看護師だからこそ、その場しのぎの処置だけではダメだと感じ、投薬以外の道を探ったとおっしゃっていました。

初めてお会いした時から、非常にしっかりと状況説明をされ、私の説明にも熱心に耳を傾けて頂きました。

急性期だったため、最初の3ヶ月は週2回の施術をお願いしましたが、きっちりと通院して頂き、安定した施術環境を作るお手伝いをして頂きました。

 

<初期の施術>

 

初期の施術では、眼底周囲の血流を増やすことを目的として、局所的な目の周囲や後頚部の鍼と、遠隔的な手足の鍼を行いました。

この写真は、当院での眼科鍼灸の例となっていますが、この症例のご本人の写真です。

こうした施術を、週に2回行いながら、3か月後に病院での画像診断を行って頂きました。

 

<3か月後>

 

3か月後、主治医である大阪市内の病院にて、画像診断をして頂きました。

アバスチンを施術してから暫くして、歪みなどは消失していましたので、結果は大体予想出来ましたが、画像診断でも改善が認められました。

異常がない限り経過観察と言われたため、鍼灸治療を週1回に切り替えて、当院での施術を継続することになりました。

<その当時のことを語る、この症例の患者さまのインタビュー動画>

 

<2019年1月>

 

2019年1月のことですが、いきなり右視野に歪みを自覚し、右視野の中央部が欠損していてしまいました。

2018年まで続けていたNPO活動を退き、新しいお仕事を始めてしばらく経ったところでした。

その仕事量(日数)を増やし、鍼灸治療の頻度を減らしたところ、今回の発症となってしまいました。

私にすると、痛恨のミスともいえる症例です。通院頻度と体への負担のバランスは、もっと厳密に管理すべきでした。

 

約6年振りに、眼内注射をすることになってしまいました。私自身は、眼内注射をあまり積極的にお勧めしているわけではありません。

その理由は、根本的な解決にはならないからです。

血管新生阻害薬は、確かに新生血管を無くすことは出来ますが、眼底部の血行不良を減らすことは出来ないため、結果的に注射を繰り返すことになることがあります。

 

どうも眼内注射は、施術を繰り返すほどに、鍼灸治療の効きも悪くなる傾向があるように感じます。

つまり血行障害に対する鍼灸治療が、働きにくくなるようで、鍼灸治療を行ってもあまり血行が改善せず、注射をしないと浮腫が治まらない傾向が出てきます。

そのため眼内注射を行う場合には、出来るだけ一回で注射を終えることが出来るように、急性期には週2回の頻度を守って頂くことは、とても大事だと思われます。

 

<その後>

 

今回の場合には、発症から2か月間は鍼灸治療のみで施術しましたが、歪みの改善が十分とは言えなかったため、その後、約6年振りに2回目の眼内注射となりました。

眼内注射後、約1週間で速やかに目の症状が消失しました。

通常3回セットで行うアイリーアでしたが、1回目の施術から2か月後の診察で、症状が全て消失していたため、2回名以降の注射は中止になりました。

それにしても、6年振りとはいえ、2回目の施工となったことに関しては、大いに反省すべきことだと思います。

 

2019年9月現在、症状は消失したままで、良い状態を維持しております。

お仕事の日数と鍼灸治療の頻度は、現在のところバランスが取れているということだと思います。

仕事量が将来的に変わる(減る)ことや、体調が今よりも良くなるようなら、施術の頻度は減らしていくことになります。

 

ただ鍼灸治療には、精神的な面も安定させる役割があるため、施術の頻度を減らすということは、不安感を増すことになる場合もあります。

眼科疾患では、漠然とした眼科疾患に対する不安感や、将来に対する不安感を持つことが多いものです。

こうした不安感を解消することに、鍼灸治療や鍼灸師は、一役買っているのではないかと思います。

施術頻度の問題は、患者さまとよく話し合った結果、色々な要素を考慮して、細かく設定や変更をする方が良いということだと思います。

 

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鍼灸ひより堂