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頑張りすぎから不眠となった50代男性の鍼灸治療症例

知らない内に歯ぎしりをするほど緊張していたんですね

 

<患者>

 

大阪府在住50代男性 会社経営

 

<来院の経緯>

 

会社を立ち上げて以来、がむしゃらに仕事をしてきたが、自覚的には何の不調もなかった。仕事がひと段落した2~3年前から、夜の寝つきが悪いと感じるようになってきたそうです。

全く寝ていないわけではないのですが、朝目が覚めても疲れが抜け切っていないようで、疲労感を多く感じるような状態が続いているとのことでした。

その内、寝付きがどんどん悪くなり、気が付くと朝方まで起きている日が出てきたため、主治医を訪ねたが、睡眠導入剤を渡され様子を見るように言われたそうです。

睡眠導入剤を飲むと、寝付きは良くなりますが、寝起きのだるさは変わらなかったため、インターネットで鍼灸治療のことを知り来院されました。

 

<初診時のご様子>

 

問診で肩こりなどはないということでしたが、実際に触ってみると、とても首筋から背中にかけて筋肉が固く、盛り上がっていました。

また歯ぎしりをしているためか、側頭部やあご周りにも、強い凝りがありました。一方で、足首から下はとても冷たく、自覚症状はありませんが、冷え症でもあるようでした。

鍼灸治療を受けたことが無いためか、少し緊張をしているということでしたので、極めて細い鍼を使用するため、痛みはほとんどないことをご説明しました。

舌は赤く(紅舌)て舌先に赤いツブツブがたくさん出来ていました。(紅星)こうした舌を持つ人は、とてもストレスが溜まっていて、頭(心)に熱が籠っていることを示しています。

脈診では、細く固い脈をしており、とても緊張している様子が見て取れました。

 

<初回の施術>

 

◎うつ伏せ

 

上半身の熱を取り、下半身の冷えを温めるため、全身の血液を循環させるように施術をしました。そのためには、まず強張りのある個所を、確実に緩めていく必要があります。

首と肩に、長さ40mm太さ0.2mmの鍼で、軽く響く程度に鍼を刺しました。場所にもよりますが、2~3cmの深さまで刺しました。

鍼を刺すと、深いところでズーンと思い感じがしますが、縫い針を誤って刺した時のような、チクッという痛みとは違います。

軽く響かせながら刺していくと、驚くほど筋肉が柔らかくなるのを感じることができます。この患者さまも、施術直後から、首肩の筋肉が緩むのを感じたと仰っていました。

 

◎仰向け

 

仰向けでは、足元を温めるために、足首と膝の周囲に長さ15mm太さ0.18mmの鍼を3本刺しました。深さは5mm以下です。

お腹を触ると、冷たくへその下が凹んでいるように感じました。逆に、みぞおちから胃にかけては膨らんでおり、エネルギーのバランスが、大きく上に偏っていることを表していました。

 

<初回の施術後>

 

1回目の施術中から、寝息を立てて寝ていらっしゃいました。筋肉の固さは、精神的な緊張を比例していることがよくあります。

緊張していると、交感神経が高ぶるため、毛細血管が収縮し、血行が悪くなりやすい状態になります。通常ですと、その後、副交感神経が働くことで、血流が回復して、筋肉の強ばりも無くなります。

ところが緊張状態が続いたり、自律神経のバランスを崩すと、副交感神経が上手く働かずに、筋緊張が継続してしまいます。

そうした場合には、筋肉を鍼灸で緩め、交感神経の働きを鎮めることで、副交感神経の働きを高めることが出来ます。

今回の患者さまの場合にも、1回目の施術後、自宅に帰ってからも少し横になり、就寝も、いつもより早めに寝て頂いたそうです。

 

<2回目の施術>

 

1回目の施術から、1週間後にご来院されました。2回目ということもあり、あまり緊張はしていないと仰っていました。

前回の施術後は、少しからだがだるく感じたそうですが、翌朝には回復したそうです。恐らく、今までの緊張が急激に無くなったせいで、本来気付くはずだったからだの疲れを、感じられるようになったせいでしょう。

前回指摘した歯ぎしりは、自分では気付かなかったけれど、奥様は気付いていたそうです。前回の施術後は、あまり歯ぎしりをしなくなったと言われたそうです。

 

◎うつ伏せ

 

前回と同様に、固いとことや張っているところを、順にほぐしていきます。今回はうつ伏せで施術している内に、既に寝息を立てていらっしゃいました。

 

◎仰向け

 

腹部には、前回ほどの胃付近の膨らみはありませんが、下腹の凹みはまだ見られます。そこで、下腹部のツボに対して、軽く鍼を刺して鍼を刺して置いておきました。(置鍼10分)

足首や膝周りにも、同様の施術を行い、腹部と共に置鍼しました。

 

<その後>

 

同様の施術を週1回ペースで1か月が経過する頃には、不眠症状は無くなっていました。経過観察のため、2週に1回で1か月施術し、その後は、体調不良が現れたら、その時にご来院頂くようにお願いしました。

その後月に1回程度のペースでご来院されますが、体調不良を感じると直ぐにご来院頂くため、訴えも比較的スムーズに解決出来ているように思います。

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鍼灸ひより堂