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なぜ不安神経症が鍼灸治療で変化するのか

あなたの感じている不安感を鍼灸で無くしたい

 

あなたの不安はどこから来るのか

 

あなたが不安感を感じる原因は、脳の比較的古い機能を持っている、大脳辺縁系(へんえんけい)という部分が関係しています。

大脳辺縁系は、本能行動や情動に関係する部分で、脳の奥深くの中心部分に位置しています。

この辺縁系は、生物としては、比較的原始的な働きを持っています。

それは、「いかに自分の生命を維持するのか」という機能と、「いかに子孫を残していくか」という機能です。

この二つの機能は、種(生命・種族)を維持するために、最も大切な機能です。

 

不安神経症の方が抱える不安感は、この辺縁系が強く関係している不安感であると思われます。

そのため、生命維持が危ないと感じるほどの、強い不安感を感じていても、不思議ではありません。

では、なぜ生命を脅かすほどの危険がない場面で、強い不安感を辺縁系は感じているのでしょうか?

これは、辺縁系と脳全体の働きが関係しています。

あなたにとってストレスとなった出来事は、辺縁系の中の、扁桃体という部分で受け取られます。扁桃体では、脳内物質ドーパミンの分泌により、ストレスに対抗する前向き感を作り出しています。

また扁桃体で受け取られたストレスは、前頭前野という部分に送られます。前頭前野は、ヒトがヒトらしく生きるための、知的(論理的)な思考をする部分です。

 

前頭前野で受け取ったストレスに対して、知的(論理的)に処理することで、次に同じようなストレスを感じた時にも、知的(論理的)に処理することができるようになります。

このドーパミンによりもたらされる前向き感(多幸感)と、前頭前野で処理される論理的な思考により、ヒトは様々なストレスに対抗出来ているのです。

このようなストレス処理のシステムを、報酬系と言います。

<報酬系>

報酬系は、ストレスに対して働きながら、経験値を積み重ね、論理的に処理してくれる、とても素晴らしいシステムですが、必ずしも万全ではありません。

報酬系では処理できない強いストレスや、繰り返しストレスを受けることで、少しずつ報酬系を作っている神経回路が、壊されていくことがあります。

壊された神経細胞は、再び脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質の働きにより、少しずつ再生していきます。

ところが、繰り返しストレスを感じていたり、その人の許容量を超えるほどの強いストレスを感じると、BDNFが作られなくなり、報酬系の回路は壊れたままの状態になってしまいます。

つまり、報酬系が働かなくなってしまうのです。

 

すると、前向き感が全く起こらず、常に後ろ向きな状態になってしまい、強い絶望や不安感に襲われることになります。

さらにこうした後ろ向きの状態や、ストレス、不安感は、扁桃体のすぐそばにある、海馬に記憶されることで、ふとした時に思い出されます。

すると、ストレスを感じることがなくても、海馬に記憶された情報だけで、繰り返し不安感が湧き出るようになってしまいます。

また過去に感じたストレスと似た状況や、場所、人、においなどによっても、不安感や恐怖感を感じるようになってしまいます。

 

鍼灸はBDNFを増やし報酬系を再構築する

 

鍼灸治療は、皮膚や皮下にある受容器という反応点を刺激することで、生体反応を引き起こす刺激療法です。

それぞれ部位やツボによって、特有の生体反応が起こりますので、その方の体調や状態の応じて、鍼を刺すツボを変えることで、患者さまが目的とするからだの変化を起こします。

 

鍼灸治療でツボを刺激すると、その刺激情報は、知覚神経を通して脊髄から脳に伝わります。

恐らく、鍼灸刺激が通るルートが、視床から視床下部、扁桃体、海馬と、不安神経症やうつ病の方が病んでしまう場所と同じルートのため、投薬を使わない鍼灸刺激という、比較的シンプルな方法が、不安神経症やうつ病に対して一定の効果を挙げるのでしょう。

 

また、不安神経症やうつ病などに対する鍼灸治療は、海外でも盛んに行なわれており、症状の変化だけではなく、ラットの実験では、BDNFの発現を促すことも多く報告されています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31045558
(PTSDラットに対する鍼灸による扁桃体および海馬のシナプス修復)

PTSDの鍼灸論文

この論文にもあるように、鍼灸治療はBDNFの再生を促し、新たな報酬系を作る働きがあります。

報酬系が再生されると、脳内のドーパミンも以前のように働くようになり、前向き感が甦ってきます。

 

何をしても前向きになれなくなったのは、あなたがマイナス思考なせいではありませんし、意思が弱いせいではありません。

実際に脳の中では、ドーパミン分泌の減少や報酬系の障害、BDNFの低下など、様々な問題が起こったせいなのです。

鍼灸治療は、そうした問題を解決することで、自然な回復を促して、不安神経症やうつ病などの精神科疾患にアプローチすることが出来ます。

 

<追加Q&A>

 

Q.1

鍼灸治療には、どの程度の頻度で通うべきでしょうか?

A.2

最初は、週1回程度で施術を開始し、徐々に施術の頻度を減らしていきます。

報酬系の回復やBDNFの発現には、一定の時間が掛かりますので、3か月程度で症状の回復が見られたら、徐々に頻度を減らしていきます。

無理に頻度を減らすと、悪化の可能性もありますので、慎重に頻度を調整します。

 

Q.1

鍼灸を受ける時には投薬を止めるべきでしょうか?

A.2

投薬を急に減らすと、悪化する可能性があります。

そのため、出来るだけソフトランディングを目指して、投薬を徐々に減らす方が安全です。強い不安感を感じると、悪化することもあるため、最初は投薬と併用し、無理なく減らす方が良いでしょう。

 

Q.3

頻度を増やすと早く治りますか?

A.3

頻度を増やすと、早く治る傾向はありますが、毎日のように鍼灸を受けるよりも、焦らずにじっくり通って頂く方が良いと思います。

最大でも、週2回程度をお勧めしますが、どうしても不安な時にはご相談下さい。

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鍼灸ひより堂