中心性漿液性脈絡網膜症の鍼灸症例 府内在住 40代女性
患者:府内在住 パート 40代女性
病名:中心性漿液性脈絡網膜症
症状:変視症 視力低下
経過
初診の約半年ほど前にインフルエンザに罹患した。
その後視野に歪みが生じだしたため、眼科を受診し中心性漿液性脈絡網膜症と診断された。
眼科にてカリジノゲナーゼの処方を受け経過観察となった。
約5か月後黄斑浮腫の治療として、「VEGF」と「Ang-2」を阻害するバビースモの硝子体注射を受けました。
その後1ヶ月経ったが症状が改善しない為、西洋医学以外の方法を求めて鍼灸治療を選択。
初診
黄斑浮腫による変視症や視野の色付き、視力低下が左目に見られた。
当院で行った簡易視野検査でもその様子が観察されました。
視野の中心部に黒く見えにくい部分があり、これが浮腫の厚みが大きい部分であると思われます。
その周囲にも色付いて薄いフィルターが掛かったような見えにくい部分があります。
また全体に歪みがあるため、非常にストレスがかかる見え方だと思います。
治療と経過
鍼灸治療では、局所的な網膜周辺の循環促進による浮腫の再吸収を目指す治療と、全身状態を回復する治療を行いました。
ただ他の中心性漿液性脈絡網膜症と同様に、第一はVEGFが生成されるきっかけとなった循環障害に対する施術が第一優先だと言えます。
今回のように硝子体注射まで受けたにも関わらず、効果が十分に表れないのも循環障害の影響が大きいと思われます。
また脚もとても浮腫みやすく、全身的に血行状態が良くないことも考えられます。
そして約1か月間週2回の施術を受けて頂いた結果が次の検査結果です。画像では歪みや色の薄さが記載されていますが、前回の検査の外側の見え方が中心部にある感じです。
前回のように中心部にあった黒く見えにくい部分はありません。
また色付いて見える範囲も小さくなり、両目で見た時にはほとんど気にならないまでになりました。
そこで二つの検査結果を並べて見てみましょう。
こうして並べて見ると一目瞭然で、変視症の範囲や見え方もかなり改善していることが分かります。
この後お仕事にも無事復帰され、経過観察をしながら悪化予防のために暫くは通院予定としています。



