網膜ドルーゼンによる変視症に対する鍼灸治療 市内在住 40代男性
患者:市内在住 40代 男性
病名:加齢黄斑変性症(網膜ドルーゼン)
症状:視野の歪み、色付き
経過と初診
約2年前から、視野の歪みや視野の中にグレーに色付いた部分があり、眼科での検査によって黄斑部にドルーゼンの貯留が認められたそうです。
ドルーゼンとは網膜で作られた老廃物が取り除かれることなく貯留したもので、OCT画像では油滴が網膜の隙間に溜まったように見えます。
この患者さんは発病から2年間の間、これといった治療をすることなく経過観察だけを続けていた為、実際にはそれほど悪化していないようですが、悪化するのではないかという恐怖心が募っていったそうです。
その結果、抗うつ薬を服用しなくてはいけないほど精神状態が悪化してしまいました。
仕事柄PC画面を見る時間が長い為、症状を毎日何度も確認することになり、その度に鬱々とした気分になったのでしょう。
初診時に行った簡易視野検査では、それほど大きくないものの視野の歪みや色付きがあることが分かりました。
真ん中にある人型の中央やや左上方には直線が歪んで見えるところがあり、左下方にはグレーに色付いた部分があります。
この検査で見る限りかなり小さい範囲ですが、画像の中央部に近い為、やはり文字を読んだり罫線などを見る際には気になると思います。
またこれも大事なことですが、うつ状態などの精神的に不安定な状態では、セロトニンなどの脳内物質の低下により視機能に影響が出ることがあります。
特に全体的な色彩の認識力の低下や、コントラスト認識の低下が現れると言われています。
鍼灸治療
鍼灸治療では、網膜への血流のみならず網膜から排出される血流も増やす必要があります。
つまり網膜への血流は栄養や酸素を網膜に運ぶことで健全性を保ち、網膜から排出される血流は老廃物を取り除く役割があるからです。
今回はそれ以外にも気分の落ち込み症状が強くあった為、精神安定を目的とした施術も施しました。
最初の3か月は週2回行うこととし、約3か月後に初回と同様の簡易視野検査を行いました。
上記の検査では、以前見られた視野の歪みの範囲が小さくなり、歪んでいた部分も小さくなっているようです。
また黒く見えていた部分が無くなり、仕事に関してもかなり前向きに取り組めるようになったということです。
二つの画像を並べてみます。
自覚的にも他覚的にも変化があったようですので、後は画像診断での変化が確認出来ればと思います。
2か月経過時に眼科で行った検査でも、悪化は見られずどちらかというと改善傾向であると眼科医から言われたということでした。





