ドライアイと鍼灸治療

ドライアイとは

 

 ドライアイは、眼球の表面にある角膜に潤いを持たせる役割を持つ涙が、上手く分泌出来なくなる眼科疾患です。

 

涙には、眼球の表面に潤いを持たせるだけでなく、眼の表面を覆う角膜に栄養や酸素を送る役割もあります。

 

そのためドライアイになると、角膜が乾燥してしまい十分に保護されず、栄養や酸素も届かないことから、角膜が傷付くやすくなってしまいます。

 

傷付いた角膜は、外部からの刺激に対して敏感になるため、眼をしかめたり瞬きの回数が増え、眼瞼痙攣(まぶたの痙攣)が起こりやすくなります。

 

涙の三層構造と自律神経

 

 角膜の表面を潤す役割の涙は、三層構造をしており、角膜細胞から分泌されるムチン層、涙腺より分泌される水層(水の層)、そしてマイボーム線から分泌される油層(油の層)に分かれます。

 

この三層構造がしっかりしていないと、涙はその役割を果たすことが出来なくなります。

 

涙.png

 

 涙の分泌はその性質により、3種類の神経により制御されています。 

 

眼に異物が入った時に出る涙は、三叉神経の第1枝である眼神経の働きで分泌され、感動した時に出る涙は、自律神経の副交感神経が働くことで分泌されます。

 

そしてドライアイと最も関係が深い基礎分泌は、自律神経の交感神経が働くことで分泌されるのです。

 

涙の分泌.png

 

一方、眼の表面を覆う最表面にある油膜状の涙は、マイボーム線というところから分泌されています。

 

 涙の分泌腺.png

 

 この油膜状の涙(油層)が十分に出ることで、角膜の表面から水層の涙が乾燥することを防いでくれています。

 

マイボーム腺からの涙の分泌は、自律神経の副交感神経が働くことで分泌されます。

 

つまり、正常な涙の分泌には、自律神経の働きがとても重要な役割を果たしているのです。

 

交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで、涙の水層と油層がバランスよく作られ、角膜を乾燥から防ぐことが出来ます。

 

自律神経のどちらか一方の神経が働き過ぎても、或いは働きが落ちても、ドライアイになりやすくなってしまう可能性があります。

 

ドライアイの鍼灸治療

 

 鍼灸治療は、自律神経のバランスを整えることで、体の機能を適正化する働きがあります。

 

そのため、鍼灸治療により自律神経を整えると、涙の分泌を適切に行えるようになり、ドライアイを防ぐことが出来るのです。

 

涙の分泌と自律神経.png 

 

自律神経がバランスよく働くと、水性の涙を分泌する涙腺の働きと、油性の涙を分泌するマイボーム腺の働きも、バランスよく働きます。

 

そこで、質の良い涙が作られ、角膜を潤してくれるというわけです。

 

さらに鍼灸治療には、もう一つ大きな働きがあります。

 

鍼灸治療は、角膜の知覚神経である眼神経(三叉神経)にも働きかけることが出来ます。

 

ドライアイで知覚過敏となった角膜は、少しの刺激でも過敏に感じてしまい、瞬きの回数が増えてしまいます。

 

この角膜の知覚過敏による瞬きは、眼瞼痙攣の原因になりますが、鍼灸治療により知覚過敏を矯正することで、「眼がしばしばする。」「眼がゴロゴロする。」といった症状も改善されていきます。

 

その結果、瞬きの回数が減り、ドライアイによる眼瞼痙攣にも効果を発揮します。

 

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