眼圧のお話【緑内障・日内変動・季節内変動】
眼圧と緑内障
眼房水は、常に毛様体から分泌されていて眼球内を循環していますが、何かの原因で房水の排出路(隅角の線維柱帯)が詰まったり、働きが悪くなると、眼球内に房水が溜まり、眼圧が上昇します。
眼圧が高い状態が続くと、眼底部にある視神経の出入り口にあたる視神経乳頭にも負荷が架り、視神経乳頭が大きく凹むように変形してしまいます。
高眼圧=緑内障というわけではありませんが、眼圧のコントロールは緑内障治療にとって最も重要な治療であることは確かです。
眼圧は変動するもの
通常眼圧は、10~21mmhgの間で保たれているものです。
そのため西洋医学では、この10~21mmhgの中に眼圧が収まるように、点眼薬や外科手術などでコントロールしています。
ところが眼圧は常に一定ではなく、1日の中でも変動しています。
眼圧の変動には個人差が大きいとされますが、一般的には眼圧は昼に低く、夜間に高い傾向があります。
そのため眼圧を測る時間により差がありますので、診察の際には注意が必要です。
夜間はまぶたを閉じているせいで眼圧が挙がりやすくなるようですが、それ以外にも自律神経の働きなどとも連動しているのかもしれません。
昼間眼圧が十分にコントロール出来ていても、夜間就寝時の眼圧が高ければ緑内障が進行する可能性があるため、眼圧をコントロールしているにもかかわらず症状が進行していく場合には、こうしたことが原因かもしれません。
コンタクトレンズで有名な(株)SEEDでは、24Hセンサー付きのコンタクトレンズを装着して眼圧を計測するシステムを開発しました。
そのコンタクトレンズを24H装着することで、その人独自の眼圧の上昇パターンを知ることが出来るため、夜間だけ急激に上がる人でも眼圧を観察することが出来ます。
まだ一般眼科では導入されていないところが多いのではないかと思われますので、気になる方はかかりつけの眼科にてご相談ください。
また眼圧の変動は、1日の中だけでなく、季節でも変動することが知られています。
一般的な眼圧の季節内変動のパターンは、夏は低く冬高い傾向があります。
そのため寒いところで長時間作業するような場合や、冬の季節には眼圧のコントロールに気を配る必要があるかもしれません。
ここまで眼圧をお話を書いてきましたが、緑内障は眼圧の高さだけで発病したり進行するわけではありませんので、眼底部の循環状態や体全体の健康にも気を配る必要があります。
あまり眼圧で一喜一憂しないのも、ストレスを溜めずに眼科疾患と上手く付き合う秘訣ではないでしょうか?