コンタクトの過矯正で頭痛? 【40代女性の症例】

「エクセルの赤色が辛い…」

 

患者 40代女性 会社員(PC作業がメイン) 大阪市在住

 

症状:眼精疲労、眼痛、偏頭痛

 

 今回ご紹介する症例の患者さんは、会社ではPC作業を多くされているためか、眼精疲労や頭痛を強く訴えて来院されました。

特にエクセルなどで色分けをする際に、赤色を使うと目の疲れが酷くなり、頭痛までしてくるという状態でした。

 

元々かなりの強度近視で、右側よりも左側の方が特に近視が強く、両目ともコンタクトレンズで矯正をしていました。

ご本人の申告では、視力が矯正により1.2出ているそうで、当院での簡易視力検査でも、同様の視力が出ている状態でした。

 

次に頭痛や吐き気などがあるということでしたので、緑内障の可能性も考えて視野検査も行いました。

当院では、簡易な視野検査のために、鈴木式アイチェックチャートを用いています。

 

unnamed.jpg<鈴木式アイチェックチャート>

 

今回は、視野に異常は全く見られませんでした。

 

次にレッドグリーンテストをしてみると、赤色に強く反応しているのですがあまりよく見えず、反対に緑色はよく見えるということでした。

 

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これは色の波長により屈折率が違うことを利用したテストで、緑色の方がよく見える場合、眼鏡やコンタクトレンズが過矯正であることを示します。

ちなみに、最近少し目が疲れ気味で近視傾向の私は、同じ画像を見ると、赤色の方がよく見えました。

 

更にお話を伺うと、眼科にはかれこれ2年ほど行っていないらしく、遠くがよく見えるからという理由で、同じコンタクトレンズを使い続けていたそうです。

ただ言われてみれば、スマホや仕事中のPCの画面がとても見辛く、老眼にでもなったのかと思っていたということでした。

 

確かに早い方では40代で老眼が出ることは珍しくありませんので、眼科への受診もお勧めしながら、当院で出来ることについてご説明をしました。

 

考察と鍼灸治療

 

 眼鏡やコンタクトで過矯正になると、遠くは見やすいのですが、近くのモノが見え難くなることがあります。

特にPC作業を長時間する方やスマホを長時間見るような方では、遠近調節をする眼内筋が収縮したままで固まりやすく、遠近調整がし辛くなります。

 

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今回の様に、コンタクトや眼鏡により過矯正になることで、頭痛や眼痛、吐き気などを症状が表れることは珍しいことではありません。

また眼精疲労は、 後頚部の凝りの原因にもなるため、筋緊張性頭痛の原因にもなります。

 

そこで、眼内筋である毛様体筋を緩めるために目の周囲に鍼を刺したり、後頚部の凝りを取り除くために鍼を刺すことにしました。

 

190626_0007.jpg<目の周辺への鍼>

190626_0051.jpg<後頚部への鍼>

<実際の施術例>

 

 施術後

 

 施術後は目の周囲がスッキリとした感じで、頭痛などの症状がないため、一旦様子を見て頂くことになりました。

週に1回程度の施術をしながら、頭痛や眼痛の様子を観察していきます。

 

また、眼科への受診は必ず行って頂き、しっかりと自分に合ったコンタクトレンズを付けて頂くようにとお話しました。

折角痛みを無くしても、原因がコンタクトレンズによる過矯正であれば、いたちごっこになってしまうためです。

 

特に一日の大半は、PCやスマホを見るという近見視力を使う作業ですので、あまり遠見視力を強めても仕方がないように思います。

その人の生活スタイルに合わせたコンタクトレンズや眼鏡を使用することで、こうした眼精疲労や眼痛、頭痛のトラブルは防げる可能性は高くなります。

 

勿論、現在出てしまっている症状に関しては、鍼灸治療を受けて頂ければ、非常に即効性が高いため、頭痛や眼痛などは1回でほぼで無くなります。

ただ繰り返しになりますが、不適切な度数の眼鏡やコンタクトレンズの使用を無くすことは、良い状態を保つためには大前提です。

 

また鍼灸治療により調整能力が上がる(眼内筋が緩む)ことで、同じ眼鏡やコンタクトレンズの使用でも、見え方が変わることがあります。

そのため、定期的に鍼灸治療を受けて頂くことで、自分本来の見え方に近付き、過矯正を防ぐ意味合いも持てるかと思います。

 

眼精疲労や眼痛、眼から来る頭痛を感じた時には、眼科と共に鍼灸治療も選択肢に入れて頂くと便利かもしれません。