大阪日本橋 
眼病の鍼灸
鍼灸ひより堂

大阪日本橋の鍼灸ひより堂です。
当院では現代医学では治療法がないと言われてしまった眼科疾患に対して、鍼灸治療によるアプローチをしております。
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光過敏による頭痛の原因と対策【羞明・片頭痛・偏頭痛・光視症・眼瞼痙攣】

光過敏による不調を改善するには先ず知ることから

 

 光過敏による体調不良は、初期においては直射日光や長時間のPC作業時に発生しますが、症状の悪化と共に、やがて短時間のスマホいじりや室内の蛍光灯程度でも、とても苦痛に感じるようになります。

光過敏は複数の原因で起こりますが、それらの原因を一つでも多く減らすことが大事ですので、先ずはその原因を正しく知り対処することが大切です。

 

当院は頭痛を専門的に扱っているわけではありませんが、目から入る光による頭痛の方が多く来院されるため、結果的に頭痛の治療をよくすることになります。

そこで主に光過敏による頭痛について解説と対策をご紹介したいと思います。

 

1.光過敏には悪化しやすい色がある

 

 光を過敏に感じる方を詳しく調べると、色によって苦痛を感じる色とそうではない色があることが分かります。

頭痛の研究に詳しい「一般社団法人 日本頭痛学会」の研究によると、「患者を異なる色に曝露し、光の強度を上げていくと、白・琥珀・赤・青の場合は頭痛の強さは増強し、最大強度の100 cd/m2ではほぼ80%の患者が頭痛の増強を訴えた。しかし、緑に関しては頭痛増強を訴えたのは半数にとどまり、さらに予想外に20%の患者では減弱を認めた。とあります。

 

つまり室内灯においても、最近多い白色のLEDなどでは頭痛が悪化しやすい可能性があるということです。

確かに当院に来院される患者さんのお話でも、当院のようなやや黄色味を帯びた電球色では大丈夫なのですが、事務所使用の真っ白な蛍光灯では頭痛がするという方が多いようです。

そのため室内の灯りは出来るだけ白を避けて、温かみのある柔らかい色にした方が良いと思います。

 調光装置.png

 またスマホやPCなどで使われるブルーライトも目には刺激が強い光だと言えます。

ただブルーライト自体は、PCやスマホよりも日光に含まれる量の方がけた違いに多いため、屋外でサングラスをせずに活動する方が影響は大きいと言えます。

更に緑色の光には、光過敏の症状を悪化させないだけでなく目を癒す効果もあるようですので、緑色の樹々を見るという行為は、ヒーリング効果があるようです。

 

2.ストレスによる自律神経の乱れも原因

 

 精神的ストレスは自律神経を乱す原因になります。

目に入る光の量は、光の入り口に当たる瞳孔(どうこう)で調節していますが、この瞳孔の大きさは二つの筋肉の働きにより決まります。

瞳孔を開く働きがある瞳孔散大筋は、自律神経のうち交感神経で収縮して瞳孔を開きます。

逆に瞳孔を小さく絞る働きがある瞳孔括約筋は、自律神経のうち副交感神経の働きで収縮して瞳孔を絞ります。

瞳孔.png

 こうした瞳孔の大きさは自律神経で行われますので、本来は周囲の明るさに応じて自動的に調節されますが、自律神経の働きが乱れるとその機能も乱れます。

そのためストレス状態で働く交感神経の働きが優位にすると、瞳孔が開き気味になってしまうせいで、入ってくる光の量が通常よりも多くなってしまいます。

 

3.暗所での光刺激も原因になる

 

 暗いところでは瞳孔が開き気味になる為、そうした場所で明るいスマホやPCなどを凝視すると、網膜への負担は大きくなります。

そのため明るいところで見る照度のスマホを、電気を消した部屋で見る時間を長く見ていると、光過敏になりやすくなります。

 

4.過矯正が頭痛の原因になることも

 

 メガネやコンタクトレンズで視力を矯正している場合、こうした矯正が強すぎることも頭痛の原因になります。

矯正が強すぎて頭痛を誘発する場合、特に赤い色に反応しやすく、逆に緑色では痛みが軽減しやすい傾向があります。

 

また基本的に短時間で視力測定や眼鏡作成をした場合には、ほぼ間違いなく過矯正の状態になります。

その場合には、敢えて矯正を低くするなどして、必要最低限だけ矯正すると症状は改善します。

 

5.複合ストレスを繰り返すと光過敏による症状が出てくる

 

 1~4のようなストレスを長期間に渡って受け続けたり、短期間でもストレスが強すぎたりすると、網膜や視神経、そして視覚情報を電気信号として受け取る脳までもが神経過敏な状態になります。

特に網膜からの刺激は知覚神経である眼神経を通して、脳神経である三叉神経にも影響を与えます。

 三叉神経と不調.png

 三叉神経は偏頭痛の原因とも言われる脳神経の一種ですので、光の刺激により偏頭痛のような痛みが出てくると思われます。

偏頭痛の特徴としては、急激な脳血管の拡張により痛みが現れるため、マッサージや温めるなどの緩和療法が返って刺激になり、頭痛の悪化が見られることです。

逆にマッサージや温熱療法で頭痛が軽減するなら、緊張性頭痛の傾向がありますが、光がきっかけで頭痛が出てくる場合にも、恐らくこうした緩和療法では効果が見られないと思われます。

 

光過敏による頭痛の鍼灸

 

 鍼灸治療でこうした光過敏による頭痛の治療をする場合、症状悪化のリスクが低いため、痛みが出ている状態でも施術を受けて頂くことが可能です。

鍼灸治療というものは、副交感神経を優位にすることで交感神経を鎮めると思われがちですが、実際にはそうではありません。

もしそうであるとすれば、今回のような光過敏による頭痛の治療には向いていません。

 

 今回のような光過敏による偏頭痛を考えてみると、瞳孔は恐らくストレスによる交感神経優位で開き気味ですが、脳内の血管については副交感神経が優位となって拡張していると思われます。

つまり体の中でも、部位により交感神経と副交感神経が真逆に働いている状態なのです。

これを一律に交感神経優位にすると、頭痛はマシになっても羞明(眩しさ)は酷くなってしまうといったことが起こります。

 

ところが鍼灸治療は元々一律に自律神経を動かすわけではありませんので、個別の症状を悪化をさせず治療をすることが出来ます。

イメージ的にはどちらか一方を優位にするのではなく、両方のバランスを取るものだと考えて頂ければと思います。

 

或いは自律神経をコントロールするべき脳の視床下部にアプローチすることで、視床下部の働きを整えていると言っても良いのかもしれません。

そこで一つずつの部位を個別に調整するのではなく、自動的に行う制御系の中枢を正常化するということです。

 

 ただ実際の臨床では、局所的な変調と全体的なバランスの両者を治療対象としているため、全身が治療部位になることが多くなります。

光過敏による頭痛の鍼灸治療では、光が入ってくる目の周囲や視神経の通り道である後頚部や後頭部、そして頭痛の部位に近い側頭部などと、全体のバランスを取る為の手足のツボを使って施術をすることになります。

 

眼科鍼灸のツボ.png

 

2024.04.16 Tuesday