大阪日本橋 
眼病の鍼灸
鍼灸ひより堂

大阪日本橋の鍼灸ひより堂です。
当院では現代医学では治療法がないと言われてしまった眼科疾患に対して、鍼灸治療によるアプローチをしております。
来院される患者さまの約95%は眼科疾患や眼科症状にお悩みの方々です。
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東洋医学にイメージは大事だけれど…【効果判定・第三者評価】

 

気は誤魔化しやすい

 

 東洋医学で治療する人の中には、「気」というものをイメージ化し、「気」の変化を全てと捉えて治療を行う方や、それを評価基準にすることで治療している方がいます。

私自身は「気」というものの存在を否定しませんが、それを重視し過ぎて、結果が伴わない鍼灸師もたくさん知っています。

そのため、「気」というもののイメージを持ちながらも、現実的に現れる体の変化を、正確に捉える方が良いのではないかと思っています。

 

 例えば、以前来院患者の中に、「自分で気を巡らせて健康を維持している」という方がいらっしゃいました。

その方のお話では、毎日、下丹田(しもたんでん)に気を溜めて、健康を維持するようにしていると仰るのです。

下丹田とは、へその下にある気を蓄えると言われる場所です。

ツボで言うなら気海や関元の周辺だと思えばいいと思います。

丹田.png

 

 昔から中国では、この下丹田に気を溜めることが、健康的な体を維持するためには欠かせないと言われています。

この部分は、東洋医学では「腎」を表すところであり、「腎は先天の精を主る」とも言われることから、東洋医学でもこの周辺の反応は重視しています。

腎の気がしっかりしていると生命力が高く、寿命も長いことを表すからです。

 

 では毎日気を巡らせて、下丹田に気を溜めているこの方は、さぞかし健康かというとそうでもありませんでした。

この方は非常に腎機能が弱く、水分代謝が悪いために、常に下半身が浮腫んでしまう方でした。

象のような足をしていて、尚且つ慢性の腰痛持ちでした。

これは典型的な腎虚(腎が弱い)の症状です。

 

 そこで実際に私が体を診察させて頂くと、丹田にあるべき気が著しく足りていません。

それが何故分かるかというと、へその下がベコベコに凹んでいたからです。(脈診でも腎虚でした)

気が充実すると、その肌肉は豊かに膨らむはずですが、肝心のへそ下が凹んでいるのですから、一目瞭然で腎虚のお腹です。

腎虚.png

 その方は、某有名な整体教室の指導者で、気を巡らせることで健康を維持するという方法を、指導する立場の方でした。

それにも関わらず、イメージだけで気を巡らせたつもりになり、実際の体はかなり弱った状態だったのです。

この方も体に現れる症状をしっかり把握していれば、例え自分のお腹を触らなくても、腎虚が改善されていないことや、丹田に気が溜まっていないことは分かったでしょう。(知識のせいもありますが)

 

 これは整体に限ったことではなく、鍼灸師でも同様の失敗をすることがよくあります。

「気を補ったはず。」「気が流れたはず。」「陰気が…陽気が…。」

こうしたイメージだけで治療を行うと、「出来ているはず!」という思いだけが空回りしてしまいます。

鍼灸治療で大事なのは、結果がしっかりと体に現れることです。

 

 そのため眼科疾患であれば、視力検査、視野検査、画像診断などでしっかり変化が現れ、確かに良くなっていることが現実の評価判定になります。

妊活であれば、採卵の結果、精液検査の結果、妊娠判定、出産などが評価判定であり、「気が巡っていた。」は評価判定にはなりませんので、鍼灸師は勘違いしてはいけません。

 

2024.04.26 Friday