大阪日本橋 
眼病の鍼灸
鍼灸ひより堂

大阪日本橋の鍼灸ひより堂です。
当院では現代医学では治療法がないと言われてしまった眼科疾患に対して、鍼灸治療によるアプローチをしております。
来院される患者さまの約95%は眼科疾患や眼科症状にお悩みの方々です。

ストレスと不妊傾向

ストレスは妊活に禁物とは言うけれど

 

 ストレスが妊活に悪そうなことはイメージとしては分かっていても、なぜ悪いのかは案外知らない方が多いようです。

またストレスが妊活に悪いと言っても、どの程度のストレスであれば問題があって、どの程度なら問題ないのかも、知らない人が殆どです。

そこで、西洋医学と東洋医学の知識を応用して、なぜストレスが妊活に悪いのか、自分のストレス度合いはどの程度なのかを知り、妊活に活かしてみましょう。

 

1.ストレスとコルチゾール

 

 ストレスを感じると人間(動物)の脳からは、ストレスに対抗するために様々なホルモンが分泌されます。

その一つが、副腎に対して働きかける副腎皮質刺激ホルモンです。

すると副腎からは、コルチゾールというホルモンが分泌されます。

 

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 このコルチゾールとは、いわゆる副腎皮質ステロイドのことで、強い抗炎症作用と共に、免疫抑制などの働きがあります。

コルチゾールにはそれ以外にも様々な働きがありますが、コルチゾールは短期的な分泌と長期的な分泌では、少し働きが違います。

 

 ストレスが短期的であれば、フィードバック的にコルチゾールの分泌に制限が掛かることで、脳から分泌されるGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌が多くなります。

GnRHは、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)の分泌を命令するホルモンです。

そのため一時的なコルチゾール分泌は、結果的に妊娠に関係するホルモンを増やすことに繋がり、妊活にとって優位に働く可能性があります。

 

その一方で、長期的なストレスではコルチゾール分泌が持続的に増えることで、GnRH分泌が制限されてしまいます。

その結果、男性では乏精子症や性欲減退が、女性では生理不順や卵胞の成長が遅れるなどの症状が現れます。

 

2.ストレスと高プロラクチン血症

 

 ストレスを感じると人間(動物)の脳からは、甲状腺の働きを促進するためのホルモン(TRH、TSH)が分泌されます。

甲状腺は新陳代謝を司るホルモンですから、新陳代謝を高めることでストレスに対抗するわけです。

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このTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)というホルモンには、プロラクチンというホルモンを分泌する働きがあります。

プロラクチンは、乳汁分泌ホルモンとも呼ばれるホルモンで、排卵を抑制する働きがあります。

そのためストレスによりTRHが分泌されると、結果的に高プロラクチン血症となり、排卵が抑制されることがあります。

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 またTRHやTSHが持続的に分泌され続けることで疲弊してしまうと、甲状腺機能に異常を来たすことがあります。

甲状腺機能は、低下しても更新しても不妊傾向が強まるため、甲状腺機能と妊娠には強い関係がありそうです。

実際に不妊治療で来院される方の中にも、甲状腺機能低下症の方は多くみられます。

 

 更に高プロラクチン血症と関連が深いのが、ドーパミンというホルモンです。

ドーパミンは、精神的ストレスを感じることで分泌され、前向き感を作るホルモンとして知られています。

ストレスを感じることでドーパミンは分泌されますが、ストレスが長期的になると、やがてドーパミンの分泌は疲弊して減少しまいます。

長期的ストレスによりドーパミンの分泌量が減ると、前向き感が作れないことから、抑うつ状態になりやすく、うつ病の原因にもなります。

またドーパミンは、プロラクチンを抑制する働きがあるため、ドーパミンの分泌が減ることでプロラクチンが増え、高プロラクチン血症となってしまいます。

その結果、排卵が抑制されてしまい、妊娠しにくくなるというわけです。

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3.ストレスと自律神経

 

 自律神経系は、全身を自動的に調整してくれるとても便利な神経の働きです。

呼吸や心拍、血流などを調整する働きがあり、人間が健康に生きていくためには欠かせない働きなのです。

この自律神経系は、ストレスの影響を非常に受けやすいことでも知られています。

 

 自律神経には大きく分けて交感神経と副交感神経の2種類がありますが、お互いに拮抗的に働くことで、シーソーのような働き方をしています。

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交感神経が働くと副交感神経は制限され、副交感神経が働けば交感神経が制限されます。

必要な時に必要な側が働くことで、全身をバランスよく調整しているのです。

 

 ところが慢性的にストレスを感じている方は、交感神経が優位になっていることが多く、交感神経の働きが強く出てしまいます。

交感神経が働くと、毛細血管を収縮させることで、末梢の血流が悪くなってしまいます。

また血液を凝固しやすい状態にすることで、血栓が作りやすい状態にもなります。

 

卵巣内の毛細血管の血流が悪くなると、卵胞が育ちにくくなり、質のいい卵が育ちません。

また胎盤の血流が悪くなると、流産や早産の原因にもなります。

そのため、状況に応じて自律神経が働かず、交感神経が持続的に優位になってしまうと、不妊や不育傾向が出てしまうのです。

 

妊活時のストレスと鍼灸

 

 様々な臨床研究の結果、鍼灸治療には、視床下部でのホルモン分泌を調整する作用と、ホルモン受容体の感受性を高める作用があるようです。

そのため妊活時に鍼灸治療を受けて頂くと、ホルモン分泌を整えることで、妊娠しやすく流産しにくい体を作る働きがあります。

 

 また長期的ストレスにより増えたコルチゾールを減らしたり、同じく長期的ストレスにより減ったドーパミンを増やす働きがあることから、生理周期を整える働きもあります。

通常では投薬が必要な排卵障害や生理不順を、投薬なしで改善することも出来ますし、投薬と併用することで薬の効きを良くする作用もあります。

そのため西洋医学との相性も良く、西洋医学的な不妊治療だけでは効果のなかった不妊に対してでも、鍼灸治療を併用することで効果が挙がることもあります。

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 更に鍼灸治療を受けることで自律神経が正常化すると、休息時に副交感神経を働かせることが出来るため、卵巣や精巣の血流は回復し、卵子や精子の成長が促されます。

投薬を使用しても育たない卵胞が育つようになったり、精子の数や運動率が改善されることで、妊娠しやすい状態になります。

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<まとめ>

 

・長期的ストレスによりコルチゾールが大量に分泌される。

・大量のコルチゾールは不妊の原因になる。

・長期的ストレスは甲状腺機能に異常を招く。

・甲状腺機能異常は不妊の原因になる。

・長期的ストレスによりドーパミンの分泌が減る。

・ドーパミンが減ると高プロラクチン血症が起こりやすい。

・長期的ストレスは自律神経を乱す原因になる。

・交感神経優位になると不妊傾向が強まる。

・鍼灸治療は妊娠しやすく流産しにくい体を作る。

 

2024.11.21 Thursday