鍼灸治療の2つの方法【通常鍼とパルス通電】
通常の鍼とパルス通電
当院の眼科疾患に対する鍼灸治療では、通常の鍼治療と鍼に低周波を流して治療を行うパルス通電を行っています。
パルス通電は一般の鍼灸治療でも広く行われている治療法ですが、時と場合により使い分けることで、治療効果を得ることが出来ると考えています。
論文によっては、パルス通電と通常の鍼治療の間には大きな効果の差がないことを示すものもありますが、眼科疾患に対する鍼灸治療では、臨床的に少し事情が違うようです。
当院や提携治療院の経験では、パルス通電にはある種の特異性があるようで、視神経炎や視神経委縮、網膜変性などの神経系の変化には大きな効果が期待できます。
その一方で、循環障害などに対する鍼灸治療では、パルス通電の有効性を見ることが出来ません。
当院で施術する機会が多い眼科疾患で考えると、次のような分類が出来るようです。
また眼科疾患に対する鍼灸治療では目の周囲にも鍼を刺しますが、顔面部は特に敏感で通電に対する感受性が高く、パルス通電には向いていません。
顔面神経麻痺に対する通電療法では、病的共同運動を誘発する危険が示唆されるため、顔面部には低周波刺激を禁忌としています。
これと同じ理由で、眼科疾患に対してもパルス通電を当院では行っていません。
眼科疾患に多く見られる精神科症状へのパルス通電
眼科疾患を抱えている方の中には、将来に対する不安感から強い不安感や抑うつ症状などの、精神科症状を抱えることが少なくありません。
こうした精神科症状に対しても、海外では鍼灸治療による臨床研究が行われています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8286083/
<鍼治療でうつ病患者の冠状動脈性心臓病のリスクを軽減>
使用される経穴や条件は違いますが、精神科症状に対する鍼灸治療はある程度の効果が期待できるようです。
当院で行う鍼灸治療では、主に頭部の刺鍼とパルス通電を使用して、こうした不安症状に対する施術をしています。
以前は通電以外の方法でも治療を試みましたが、海外の研究や臨床経験を合わせても、パルス通電と投薬の併用がベターな方法ではないかと思います。