大阪日本橋 
眼病の鍼灸
鍼灸ひより堂

大阪日本橋の鍼灸ひより堂です。
当院では現代医学では治療法がないと言われてしまった眼科疾患に対して、鍼灸治療によるアプローチをしております。
来院される患者さまの約95%は眼科疾患や眼科症状にお悩みの方々です。

当院が考える効果的なステップアップとは

ステップアップとステップダウン

 

 

 ステップアップという言葉を文字通り捉えると、「どんどん結果が良くなる。」と捉える方が多いですが、現状でのステップアップはそうではありません。

 

ステップアップとは、より高度な医療を必要とする不妊治療を行うことを指しているだけです。

 

通常はタイミング指導から始まると、人工授精を始めることをステップアップと言います。

 

更に、人工授精から体外受精になることもステップアップと言います。

 

 

 最近では、タイミング法や人工授精を試さずに、一気に体外受精から始めるご夫婦もいらっしゃいますので、そうした場合にはステップアップはないことになります。

 

その一方で、体外受精を試していたご夫婦が、人工授精やタイミング法を試すこともあります。

 

この場合、医療の手をより借りない方向に移行するため、ステップダウンと言います。

 

 

 

ステップアップは妊娠率が上がる?

 

 

 

 ステップアップをされる多くの方は、妊娠しやすくなる方法としてステップアップを選びます。

 

ところが実際には、思ったような結果を生まない人も多くいらっしゃいます。

 

何故なら、本来ステップアップというのは、必要な人が行うから妊娠率が高まるものなのです。

 

逆に必要のない人が行っても、妊娠しやすくなるどころか、弊害すらも起こることがあります

 

 

 

例えば、タイミング法で妊娠しなかった4組のカップルがいたとしましょう。

 

 

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 A夫婦の場合、不妊の原因として子宮内膜症による卵管閉塞があります。

 

この場合、卵管が閉塞していては、精子が卵管を通り抜けていくことが出来ません。

 

そうなると、人工授精にステップアップすることは、妊娠率を高める方法とは言えません。

 

 

ただし、体外受精にステップアップした場合には、卵管の状態が関係なくなりますから、理論上は効果的なステップアップであると言えます。

 

またそれ以前に、卵管鏡下卵管形成術(FT)を試みることで、妊娠しやすくなる可能性もあります。

 

その場合には、ステップアップ自体が必要ないということになります。

 

 

 

さて次にB夫婦を見てみましょう。

 

B夫婦の女性には、頸管粘液不全の症状があるようです。

 

子宮頚管の粘液は、排卵前後に精子が通り抜けやすいように性状が変化しますが、体調や体質によりそれが分泌しにくい方がいます。

 

すると精子は上手く子宮に入ることが出来ませんから、どうしても妊娠率が低くなります。

 

こうしたご夫婦の中には、人工授精で精液を子宮内に入れるだけで、妊娠しやすくなることがあります。

 

つまり、人工授精により効果的なステップアップが予想されるということです。

 

 

 

続いてC夫婦の場合はどうでしょうか?

 

C夫婦の場合には、男性側に精子無力症という原因があります。

 

精子無力症では、精子の運動性が低いため、十分に精子が子宮や卵管内で活動出来ないとされています。

 

ただ実際には、子宮が収縮運動をすることで、精子の運動性をフォローすることもあり、絶対的な不妊原因とは言えません。

 

つまり不妊原因としては、グレーという感じです。

 

 

では、ステップアップをして人工授精にすることで妊娠しやすくなるかというと、多少は受精の手助けにはなるかもしれませんが、強力な補助とはいかないかもしれません。

 

となると、一定回数人工授精をしてもダメであれば体外受精、または場合によっては、顕微授精が効果的なステップアップ法と言えるかもしれません。

 

 

最後にD夫婦の場合ですが、このご夫婦の場合、女性に多嚢胞性卵巣症候群の症状があります。

 

多嚢胞性卵巣症候群は、ホルモンバランス(LH>FSH)の乱れにより、高アンドロゲン(男性ホルモン)血症となり、排卵に乱れが生じる状態です。

 

ただ症状には個人差が大きく、エコー検査で多嚢胞性卵巣が見付かっても、全く問題なく妊娠や出産をすることもあります。

 

 

それを思うと、このご夫婦の場合、排卵確認さえ行うことが出来れば、一番の問題は性交回数の少なさです。

 

排卵障害を持つ女性の場合、生理周期が乱れることは珍しくありません。

 

排卵された卵子は、約24時間で死んでしまいますし、その中で生殖可能な時間となると、更に時間は短くなります。

 

そんな短いタイミングに精子の生存期間を合わせなければならないのに、月に1回の性交回数はどう考えても少な過ぎます。

 

ですから、最も効果的な不妊治療は、性交の回数を増やすことだと考えられます。

 

 

ただ性交自体が苦痛ではあるけれど、人工授精やシリンジ法※が出来るのであれば、どちらかの方法を選ぶことは間違いではありません。

 

ステップアップが嫌ならシリンジ法、ステップアップを望むなら人工授精を選ぶということになります。

 

※シリンジ法

 シリンジ法とは、シャーレ上に自分で射精した精液を、スポイドで吸い取り膣内に戻す方法です。シリンジ法キットは、各有名通販サイトでも購入が可能です。

 

 

 

 

重要なのは情報と選択そして…

 

 

 今までに色々なパターンでシミュレーションをして、ステップアップのお話をしてきました。

 

こうした自分の情報や治療の情報を吟味して、自分に必要な不妊治療の選択が出来れば、本当に効果的なステップアップやステップダウンが出来るはずです。

 

本当は病院側でこうしたことをしてくれると良いのですが、病院によっては、エスカレーター式にマニュアル通りのステップアップをするところも少なくありません。

 

つまり、一旦乗ったら下りることが出来ない、一方通行の不妊治療のステップアップが行われるのです。

 

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人によっては、こうした不妊治療により心身共に傷付いてしまい、本来の能力を出すことが出来ない方もいらっしゃいます。

 

 

 

 また不妊治療は理論通りにいかないことも多く、最終的にはその人たちの体力任せという部分もあります。

 

更に妊娠してからも10カ月の間妊娠を維持することや、その後にある出産や育児のことを考えても、やはり自分たちの体調をいかによ整えるかを考えることも大事です。

 

鍼灸治療はそうした部分に働き掛けますし、医師以外の第三者として妊活のアドバイスが出来るのも、妊活鍼灸を専門にしている鍼灸院の強みかもしれません。

 

1組のご夫婦だけでは経験し切れない経験を私たちは積んできましたので、ご相談はお気軽にお寄せ下さい。

 

2024.12.08 Sunday