大阪日本橋 
眼病の鍼灸
鍼灸ひより堂

大阪日本橋の鍼灸ひより堂です。
当院では現代医学では治療法がないと言われてしまった眼科疾患に対して、鍼灸治療によるアプローチをしております。
来院される患者さまの約95%は眼科疾患や眼科症状にお悩みの方々です。
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不安神経症に対する鍼灸治療 大阪府外在住 40代男性

仕事のプレッシャーから不安を感じるように

 

患者: 40代男性 大阪府外在住 会社員

症状: 不安感、電車通勤が辛い、肩こり、頭重感

経緯

 営業職として会社員をしてきたが、1年前にストレスを感じる仕事を任されてから、体調の不良を感じるようになってきた。

その後、症状が徐々に強まり、

・不眠

・電車に乗ると降りたくなる

・突然の発汗

・動悸

・首肩の痛み

・頭痛、頭重感

などを感じるようになってきた。

30歳の時には腰椎椎間板ヘルニアになったことがあり、その後も腰痛を感じることが多い。

来院時は仕事に行くのが辛く、通勤電車が苦痛で仕方ないということでした。

本人曰く、病院に行くことに抵抗があるそうで、当院の元患者であった会社の同僚に紹介され、ご来院されました。

 

【初診】

 

 対面してお話をしていても、とても緊張されているのが見て分かりました。

このままお仕事を続けることにも不安があり、投薬以外の方法があるならと、当院を受診されたそうです。

体全体の筋緊張や身体症状も強かったため、先ずは体の緊張感を緩めることを目的に施術しました。

 

また動悸や冷や汗があることから、自律神経にもかなり乱れがあることが分かりました。

脈を見せて頂いても、かなり細く弱い脈であることが分かります。

初診時はまだ夏の暑さが残る時期でしたが、脈象としては冬のような脈をしていました。

 

東洋医学では、冬の脈を石脈といいます。

「冬脈石者、腎北方水也、万物之所蔵也、盛冬之時、水凝如石、故其脈之来、沈濡而滑、故曰石。」

これは冬の脈である石脈を現した古医書の一文です。

詳しく説明はしませんが、固く沈んでいるけれど、潤いがあって細い脈ということです。

ただこれは標準的な冬の脈ですので、この患者さんの場合には、ここに少し病的な弱さが含まれます。

 

そこで体をしっかり温める力を持たせ、血液を循環させるようなツボを選んで鍼灸治療を行います。

また局所的にもコリの深いところには、しっかりと鍼を響かせて施術を行いました。

 

うつ伏せでは、首や肩にしっかり鍼を刺し響かせました。

また全身のバランスが乱れているため、腰にもしっかり鍼を刺しました。

使用した鍼は、長さ30mm 太さ0.18mmのステンレス製使い捨て鍼です。

鍼の太さ比較.png

その後、10分間そのままで寝て頂いて、各部のコリをしっかり取りました。

 

次に仰向けになり、側頭部にもしっかり目に鍼を刺しました。

側頭部には側頭筋という筋肉があり、歯を食いしばる時に強い力を発揮しています。

普段から歯を食いしばっている方は、どうしても側頭筋が固くなりやすいため、頭が凝るという訴えをよくされます。

この患者さんも、正にそうした訴えを持っている患者さんでした。

 

そこで、太陽というツボから側頭筋に向けて、横刺という刺し方で骨に沿って平行に刺しました。

使用した鍼は長さ30mm 太さ0.12mmのステンレス製使い捨て鍼です。

2075279.png

 この鍼を心地よく響かせると、頭の凝りや目の疲れも非常によく取れます。

そのため、眼科疾患でもよく使用するツボと刺し方です。

営業職でPC作業も多く、目を酷使するため、眼精疲労の解消も兼ねて施術させて頂きました。

 

目の周囲には、長さ0.1mmという極細の鍼を使用しました。

上の画像を見て頂ければ分かりますが、非常に細い鍼で、恐らく国内で常用される中では一番細い鍼でしょう。

この細さの鍼でも、十分に眼底部の血流は良くなります。

眼科疾患や眼精疲労の鍼は、痛みをほとんど感じることなく受けることが出来ます。

 

あとは手足のツボを使って、全身のバランスを調整する鍼をさせて頂きました。

使用した鍼は、長さ15mm 長さ0.16mmのステンレス製使い捨て鍼です。(上記画像参照)

当院で使用している鍼は基本的に細く、シャープペンシルの芯と比べても、かなり細いことがお分かりかと思います。

 

整形外科疾患や疼痛の種類によっては、かなり太く長い鍼も使用するのですが、逆に眼科疾患や全身調整の鍼灸治療では、細く短い鍼を使用することが多くなります。

細い分扱いが難しい点もありますが、患者さんにとって安全と治療効果を両立させるためには、こうした細い鍼を使用した方が良いと思います。

 

初回の施術から数日後、この患者さんに当院をご紹介して頂いた患者さんも、十年以上ぶりに来院されました。

その方のお話では、症状がかなり緩和されたようで、通勤電車も大きな苦痛を感じずに済んでいたようです。

 

【その後の経過】

 

 初回から2週間後に来院された時には、同僚の方から伺った通り、かなり症状が軽減していました。

頭痛や首肩の痛みは軽く残るものの、睡眠に関しては良く取れているということでした。

症状が軽かったことと、発症から来院までが比較的早かったことが奏功したようです。

 

その後2週間に1回の頻度で約2か月間施術を続けたことで、身体症状はほとんど感じない程度になりました。

年末に近付き、仕事がかなりハードになったということでしたので、辛いときは頻度を気にせずに来院して頂くようにお話ししました。

こうして自分自身で来院頻度をコントロール出来るようになれば、ほぼ緩解と言っても良いと思います。

 

メンタル系の疾患は、投薬の力を借りることも多いですが、比較的初期であれば、こうして鍼灸単独でも十分に対応出来ます。

投薬に抵抗があって一人でお浪の方は、ぜひ鍼灸治療も選択肢の一つとして考えて頂ければと思います。

2024.04.19 Friday