動眼神経麻痺の鍼灸症例 市内在住 40代男性
患者:府外在住 40代男性 会社経営
病名:動眼神経麻痺
症状:外斜視 複視 眼瞼下垂 羞明
経過
普段からIT系の仕事をしているため眼精疲労等はあったが、ある日右目の奥に痛みを感じた。
その3日後、複視が出現した為眼科を受診したところ、眼科では問題なしと診断された。
原因を探る為に脳神経外科を受診するも、脳外科的にも問題が無いと言われ、循環促進のためのビタミン剤のみ処方された。
西洋医学では治療法が無いため、ネットを検索して鍼灸治療で治ることがあることを知り、近隣で探したところ当院を見付けて来院。
初診
初診時、明らかな斜視と眼瞼下垂が見られた。
<動眼神経麻痺の3兆候>
今回の症例では明らかな散瞳(瞳孔の開き)は認められなかったが、外斜視が強い状態で真ん中よりも内側には自力で瞳(黒目)が動かない状態。
眼科と脳神経内科の診断では問題が無く、既往歴として糖尿病が見られた為、動眼神経の栄養血管の循環障害による動眼神経麻痺と考えられた。
原因不明の動眼神経麻痺は、栄養血管の循環障害により起こることが多いとされています。
そのため西洋医学では、循環を改善するためにビタミンB12の服用が推奨されますが、当院ではより循環を促進するために鍼灸治療を受けて頂いています。
また循環障害を起こす原因として、糖尿病による血管障害や動脈硬化による循環障害、それ以外にも自律神経障害による循環障害があります。
今回の患者さんも既往歴としての糖尿病がありましたが、受診後は血糖コントロールも出来た為、+αの効果を狙って自律神経の調整を主たる目的としました。
鍼灸治療
鍼灸治療としては、目の周辺部に対する施術とそれに関連して後頚部、背部の施術を行いました。
更に全身の自律神経系の調整として、下肢にも施術を加えました。
<代表的な眼科鍼灸で使用する経穴>
施術開始後、約3週間で眼球運動が5割程度回復し、意図的に内側に瞳が向く様になりました。
眼瞼下垂もやや改善し、意図的に開眼がほぼ出来るようになりましたが、意図しないと眼瞼下垂が見られていました。
更に3週間後には、内側方向に完全な眼球運動が出来るようになりましたが、左右の眼球が若干の上下不同が見られました。
また眼瞼下垂はほぼ消失しました。
複視に関しては、遠方を見た時に強くなる傾向がありましたが、近くを見ることは十分に可能になりました。
今後も同様の施術を完治目指してしていく予定です。