網膜剥離の鍼灸症例 府外在住 10代男性
患者:府外在住 学生 10代
病名:網膜剥離
症状:変視症 視力低下
経過
ある日ふと視野の歪みに気付き、眼科にて網膜剥離と診断されたそうです。
また術後1か月で経過観察をしたところ、
「まだ水が抜けていない。(網膜の浮腫がある)
再発の可能性があるため様子を見て下さい。」
と言われたそうです。
気を付けろと言われても、患者側で出来ることは激しい運動を休止する程度で、それ以外にこれといった治療も無いため、それ以外に何か回復を早める方法がないかと調べている内に鍼灸治療を見付けて当院に来院された。
発病は左目のみでしたが、両眼で見ても明らかに見えにくいため、生活がとても不便だとのことでした。
そこで網膜への血流増加と抗炎症作用を高め、早期回復のために鍼灸治療を開始しました。
初診
初診では簡易な視野検査を行いました。
視野検査では、視野中心部に明らかな変視症が見られ、見える画像が引き攣れたように右斜め上に歪んでいたようです。
画像からはまだ網膜が十分に回復していない様子と、眼科での検査通り浮腫が起こっている様子が伺えます。
こうした網膜の浮腫による変視症は、中心性漿液性脈絡網膜症で見られますが、今回は外傷性での浮腫と網膜の引き攣れによる歪みの両方があったのかもしれません。
鍼灸治療
施術は主に、網膜の血流を増やす経穴を中心に使用しました。
また東洋医学的な血瘀という血が固まる症状を緩和する経穴も使用しながら、西洋医学的治療と東洋医学的治療を併用しながら施術しました。
本来は急性期であるため週2回の施術を基準にしますが、学校の授業もありますので週1回での施術としました。
施術から約1か月経った頃、試験問題を解く時に問題用紙を集中して見れるようになっていたそうです。
そこで約1か月ですが2回目の簡易視野検査を行ってみました。
その結果がこちらです。
2枚並べてみると、視野の歪みの範囲がかなり限定化されいることが分かります。
この結果をもって治療はひとまず終了し、経過観察と保険目的での来院としました。