大阪日本橋 
眼病の鍼灸
鍼灸ひより堂

大阪日本橋の鍼灸ひより堂です。
当院では現代医学では治療法がないと言われてしまった眼科疾患に対して、鍼灸治療によるアプローチをしております。
来院される患者さまの約95%は眼科疾患や眼科症状にお悩みの方々です。

大阪市在住 40代女性 甲状腺眼症の症例2

患者大阪市在住 40代 女性

病名甲状腺眼症(バセドウ病眼症)

症状甲状腺眼症による眼球突出、まぶたの腫れ

 

【経過】

 

・昨年体調不良が続いていた。

・疲労が強く、空腹も感じていた。

・その後複視※1が出た。

・まぶたの腫れが出たため眼科を受診するとアレルギーだと言われた。

・健康診断にてバセドウ病と診断。

・専門病院から紹介され眼科を受診し、甲状腺眼症と診断された。

・眼球突出は右にあり、左は正常だけど1mm?出ていると言われた。

・複視が悪化傾向

※1 ものが2重に見えること

 

【初回カウンセリング】

 

 眼球突出が右側にあることは一目見て分かる状態で、明らかな左右差がありましたので、複視が出ても仕方がないと思われました。

ただ左眼もまぶたの腫れがあり、眼球突出もやや見られる様子でした。

そこで当院でヘルテル氏眼球突出計で計測したところ、 右 20mm 左 15mm となりました。

 甲状腺眼症.png

 

診断基準からすると、右側が重症よりの中等症で、左側は軽症と正常の間くらいでした。

 甲状腺眼症重症度.png

15mmからが軽症ですので、経過の項目で書いた左が1mmというのは、診断基準を1mm超えているということのようです。

 

左右差が無くなれば、ある程度複視も改善出来ると思いますので、眼窩内で起きている過剰な血流(炎症)を抑え、腫れを無くすことを目的に施術することにしました。

このまま症状が改善しなければ、ステロイドパルスをする予定ですので、出来るだけ治療効果を高めるため、週2回の受診をお願いしました。

 

【鍼灸治療】

 

 首から肩や背中にかけてがガチガチに固いため、先ずはその固さを改善する様に鍼を刺します。

眼科疾患や甲状腺疾患は、ストレスの影響をよく受けますので、出来るだけ体に出ている不調や不快症状は取り去るべきです。

そこで肩こりなどは、しっかり取り去ります。

 

まぶたのはれも強いため、上下のまぶたにはしっかりアプローチします。

さらに眼の不快症状に対しては、眼の知覚神経である眼神経に対してアプローチします。

眼神経ブロック.png

こうした施術を続けていたところ、鍼灸治療から3週間経った頃に、「ましになった気がします。」というお話がご本人からありました。

どうもお知り合いにも、「良くなってない?」と言われたそうで、嬉しそうにされていたので、取りあえず目立っていた右側だけ施術前に測ってみました。(正式には1か月後に検査)

すると、20mmだった眼球突出が16mmになっていました。

見た目的にも、かなり眼球突出やまぶたの腫れが軽減しているように見えます。

 

 【1か月後の鍼灸治療】

 

 基本的には治療方針は変わりません。

眼の不快症状はほとんどないものの、複視がまだ見られるため、外眼筋の炎症の影響や左右差の影響が出ているようです。

1ヶ月経って視力検査と視野検査をさせて頂いたところ、 左眼の視力が裸眼で0.1、矯正視力で1.5あり、右眼では裸眼で0.1以下、矯正視力では2.0という結果でした。

 

初診時の視力は、左眼が裸眼で0.1、矯正で1.2、右目が裸眼で0.1以下、右眼が矯正で1.2でした。

矯正視力は、目の健康状態を表すため、矯正視力が両方とも1段階良くなったことは、とても素晴らしいことです。

ただ少々過矯正気味になってしまっていることもあり、もう少し鍼灸治療を続けて視力が安定すれば、度数の調整が必要だと思われます。

 

裸眼視力が下がったことに関しては、前日と前々日に目を酷使したことによる、眼精疲労のためだと思われます。

眼球突出に関しては、左右共に16mmとなっていました。

左眼がやや突出傾向なのは気になりますが、元々眼球突出があった右目は安定しているようです。

 

先ほども書いたように、前日と前々日がかなり目を酷使したそうで、自覚的にも腫れ感があるということでした。

今回は前回の施術から少し時間が空いてしまったため、炎症が少し強まったのかもしれません。

自覚的にも、週2回を等間隔というのが適切だと感じたようです。

また1ヶ月後に再検査をしますので、それまでの間頻度や目の使い方を調整したいと思います。

 

【3か月後】

 

 更に1か月加療しましたが、左側にも少し炎症が起こっているようで、当院での計測の結果、左側の眼球突出が強くなっていました。

左右の眼球突出度が違う場合、軽い突出度の方が時間差で悪化することはよくあることですので、これはある程度予測していたことでした。

この時点(2021.1月)で左右の眼球突出は、右側16.5mm 左側16.5mmとなっていました。

 

一旦悪化傾向が続いていた左側も、出たり引っ込んだりを繰り返していた右側も、安定してきたように感じます。

右上まぶたの腫れがまだ安定していないため、右側の方が腫れて見えるのは残念ですが、ご本人の自覚的には調子が良いそうです。

久しぶりに会った方にも、「良くなったね。」と言われるそうです。

 

仕事の配置転換があり、少し仕事が忙しくなりそうなことと、鍼灸治療開始から3か月経過したことで、頻度を週1回に変更しました。

本来は、こうした仕事やプライベートに変化がある時には、頻度を変更することを避けるのですが、どうしても通院時間が制限されそうなため、様子を見ながら調整することにしました。

眼球突出やまぶたの腫れは非常に変化しやすく、少しの疲労でも悪化するため、細かく治療内容や頻度を調整することが大事なようです。

2024.12.08 Sunday