大阪日本橋 
眼病の鍼灸
鍼灸ひより堂

大阪日本橋の鍼灸ひより堂です。
当院では現代医学では治療法がないと言われてしまった眼科疾患に対して、鍼灸治療によるアプローチをしております。
来院される患者さまの約95%は眼科疾患や眼科症状にお悩みの方々です。
 070-1732-5479
お問い合わせ

中心性漿液性脈絡網膜症の鍼灸症例 30代男性 大阪府在住

患者:大阪府在住 30代 男性

 

病名:中心性漿液性脈絡網膜症

 

症状:視野の歪み、視野のかすれ(薄く見える)

 

 

【経過】

 

 

・5年前に一度同病を発症し、その時は経過観察で完治。

・今回は5か月前から視野に灰色の影が見えるようになった。

・経過観察をしていたが全く治らない。

・ストレスや不規則な生活が原因かと思っている。

・喫煙なし、飲酒4回/週 缶ビール1本程度

・前回、今回共に左眼に発症。

・病院の検査では視力 右1.5 左0.7~0.9

 

 

【初回カウンセリング】

 

 本来は外回りの営業職とのことですが、発病以来、車の運転を避けて、現在はほぼ在宅で勤務されているそうです。

 

視野の中心近くに灰色の影があり、その影を通して見ているため、とても見えにくいそうです。

 

元々は、右眼と同様に左眼も遠視傾向で、1.5程度だったそうです。

 

当院で初診時に行った、視力と視野検査がこちらです。

 

202010.27.png

 

 

自己申告通り、左眼視力の低下と、中心部やや右下に視野のかすれ、歪みが見られます。

 

この部分はグレーに色付いて見えているようで、その向こう側に景色が見えているそうです。

 

濃いすりガラス越しに見ているような感じなため、視力検査では小さいランドルト環※1が見えないようです。

※1:ランドルト環:視力検査にある「C」の形状をしたもの

 

範囲としては大きくありませんが、中心部近くであるため、気持ちの良いものではありません。

 

また時間の経過と共に視細胞が変性すると、もっと見えにくくなるでしょうし、範囲も広がる恐れもあります。

 

 

【鍼灸治療】

 

 

 今回の患者さんは発症から時間が経っていない為、浮腫さえ無くなれば、視細胞の変性を防ぐことが出来るかもしれないと考えられました。

 

つまり、早急に浮腫を引かせる必要があるということです。

 

そのため、週2回の頻度で3カ月間しっかりと施術を行う計画を立てました。

 

 

先ずうつ伏せに寝て頂き、後頚部、背部に鍼を刺して、首や肩の凝りを取り去ります。

 

眼科疾患の方は、首肩の凝りが強く、首の凝りを取るだけでも、眼の不快な症状を取り去ることが出来ます。

 

今回のように、発病から時間が経っていない場合には、鍼数も少なく済みますし、反応も早い傾向があります。

 

 

次に仰向けで、眼の周囲と足の冷え・むくみを施術を行いました。

 

眼の周囲だけではなく、足の冷えやむくみを取る理由は、黄斑部の浮腫を無くすために、全身の水分代謝や血行障害も改善するためです。

 

 

眼科疾患で来院される多くの患者さんには、治療開始から変化が出るまで最低2か月程度かかることをご説明し、初診時から3か月の通院が必要なことを、納得して頂いた上で通院して頂きます。

 

 

それでも多くの患者さんは、治療開始から暫くすると、「このままで大丈夫か?」という不安感に襲われます。

 

この患者さんも、通院から2週間経ち、最初の意気込みと2週間経っても症状に大きな変化を感じないことに、非常に焦りが見られました。

 

そこで少し早いのですが、視力と視野を再検査させて頂きました。

 

 2020.1113.png

 

画像が見にくいので、視野が色付いている部分だけを拡大して、並べてみましょう。

 

2週間比較.png

 

 

17日目の経過としては、視力視野共に回復傾向で良い流れに乗っているようです。(左視力0.7から0.9に回復)

 

今後も施術をしながら経過観察をしてきます。

 

【2020.11.27更新】

 

 前回の検査からあまり日が経っていませんが、初診から1か月が経ったため、再び簡易検査を行いました。

その結果がこちらです。

2020.11.27.png

 

前回、前々回と比べてみましょう。

1か月比較.png

通常は、中心性漿液性脈絡網膜症で鍼灸治療を受けて頂いても、2カ月後くらいから徐々に変化が起こることが多いですが、

今回の場合は、比較的早くから変化が起こっています。

ただひょっとすると、今までは今回のように小刻みに検査をしていなかったため、変化を追い切れていなかったのかもしれません。

本格的に変化する2カ月後が楽しみです。

 

【2022.4.6更新】

 

 その後の経過をUPします。

この患者さんは、初診から既に1年半が経過しました。

 

 この間に病院での検査を定期的に受けて頂きながら、少しずつ施術の頻度を少なくしてきました。

昨年の夏ごろのOCT画像では、網膜に出来ていた浮腫がほぼ無くなった状態を確認しており、自覚的にもかなり症状の改善が見られていました。

 

 その後も再発予防や更なる症状改善を目指して、2週間に1回の施術を受けて頂きました。

その結果、先日のOCT検査で浮腫が完全に消失したことを確認出来たそうです。

また矯正視力が1.0となり、更に視力の向上も見られたそうです。

自覚的に感じていた目の疲れや後頭部の凝りも、頚部の治療を治療を続けてきた結果かなり改善され、十分にコントロール出来ています。

 

2024.04.19 Friday