成長期の眼鏡作りで大切なこと【過矯正は病的近視・頭痛・眼精疲労を作り出す】
鍼灸と眼鏡作成はワンセット
当院には、成長期前後に起こる近視進行を予防したいということで、親御さんがお子さんを連れて来院されます。
<参考:小児の近視を予防して眼科疾患を防ぐ鍼灸治療 >
こうしたお子さんに対しては、鍼灸治療による進行予防と共に、適切な眼鏡作成が欠かせません。
先ず鍼灸治療では、過緊張になりがちな眼内筋を緩めて、仮性近視を矯正する働きがあります。
鍼灸治療には自律神経のバランスを整える働きがあるため、PCやスマホを多用する現代では緊張しがちな毛様体筋(眼内筋)を緩めてくれるからです。
またストレスによる交感神経の興奮を鎮める働きもあるため、鍼灸治療は一石二鳥の働きをしてくれます。
さらに眼鏡やコンタクトレンズを適切に作成することで、その働きはさらに目に対して有利に働きます。
適切な眼鏡を使用すると眼精疲労や不快症状を防ぐだけではなく、視力低下や将来的な眼科疾患をも防ぐことになります。
眼内筋の緊張を緩めて眼科疾患予防
眼内筋が長時間緊張した状態だと、眼球の長軸が変形しやすくなり、後部ぶどう腫という状態になりやすいことが分かっています。
後部ブドウ膜腫:眼球の後部が網膜と共に機械的ストレスを受けることで、網膜の一部が剥がれる(網膜剥離・網膜裂孔)などの眼科疾患を引き起こす原因になります。
そのため定期的に鍼灸治療を受けて頂くことと共に、適切な眼鏡作りは成長期の目を健康に保つためには欠かせないのです。
ところが残念ながら、現在の日本では眼鏡に対する意識が決して高いとは言えません。
眼鏡やコンタクトレンズを単なる視力矯正の器具として考えていると、眼鏡が目に与える影響を過小評価していることになります。
眼鏡やコンタクトレンズを過矯正気味に作ると、上で書いたような眼内筋の過緊張を招いてしまいます。
その結果、視力低下や病的近視を引き起こし、眼科疾患になる確率が高くなったとしても不思議ではありません。
過矯正であるかどうかは、視力測定の際にレッドグリーンテストで分かると思われがちですが、実際には少し違います。
レッドグリーンテストも含め 、短時間で行われる視力検査では、視力はどうしても過矯正気味になりがちです。
子どもを含めて現代人は、普段近くを見る生活をしているため眼内筋が凝り固まり、どうしても仮性近視になっているためです。
結果的に仮性近視の状態で視力測定をすることで、眼鏡も過矯正になり、どんどん近視が進んでいくのです。
ではどのように眼鏡を作成するべきなのでしょうか?
時間を掛けた視力測定が必要
上でも書いたように、近くを見る生活をしていると仮性近視になりがちです
それに加えて眼鏡やコンタクトを日常的に使用していると、さらに眼内筋が働くため仮性近視は強まります。
そのため、眼内筋が緩むだけの時間的ゆとりをもって検査を行うことが、視力検査にはとても重要なことなのです。
にもかかわらず、多くの患者を抱える眼科や眼鏡量販店では、短時間で多くの視力検査を行います。
その結果、どうしても実際の視力よりも低い視力と測定することになり、さらにそれに合わせた眼鏡を作成することで、過矯正になります。
当院がいつもお世話なっている眼鏡屋さんでは、この点も踏まえて、かなり時間をかけて適切な測定をされています。
<当院がお世話になっている眼鏡屋さん:眼’Zさん>
私の娘がお世話になった時にも、仮眼鏡で測定する際には、度数を変える度に1回1回時間をおいて確認をされていました。
全体で1時間半~2時間程度も掛かったのではないかと思います。(大げさではありません)
実際にこれほどの時間を掛けて測定される眼科はないでしょうし、薄利多売で運営している眼鏡量販店では絶対に無理です。
また眼鏡を作成することが、その人の目の将来を左右することを意識している方はそう多くありません。
こうしたことをしっかり分かってくれる眼科や眼鏡屋さんを見付けると、あなたに合わせた最適の眼鏡屋コンタクトレンズを処方してくれるはずです。