大阪日本橋 
眼病の鍼灸
鍼灸ひより堂

大阪日本橋の鍼灸ひより堂です。
当院では現代医学では治療法がないと言われてしまった眼科疾患に対して、鍼灸治療によるアプローチをしております。
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加齢黄斑変性症と鍼灸治療

加齢黄斑変性とは

 

 黄斑変性症とは、網膜の中で最も視力に関係する黄斑という場所が、徐々に変性することで視力や視野を失う病気のことです。

 

変視症.png

 

黄斑変性症が65歳以上で起こった時に加齢黄斑変性症といいますが、黄斑変性症自体は10代でも起こる眼科疾患です。

 

 網膜の一部である黄斑部が変性する原因は、網膜周辺での炎症や循環障害のために出来た新生血管からの出血や、新生血管からの浮腫が原因となります。(浸出型)

また活性酸素と呼ばれる酸化物質が取り除かれないことでも、網膜細胞(視細胞)の壊死が起こり、黄斑変性が起こることがあります。

脈絡膜新生血管.png

そのため、黄斑変性症の前段階として、中心性漿液性脈絡網膜症近視性脈絡膜新生血管が起こることも多く、これも加齢とは関係なく若い年代から起こります。

ただ年齢と共に循環機能が衰えることから、加齢とともに黄斑変性症が増えていくわけです。

 

 黄斑変性症自体は、加齢以外にも、紫外線による影響、喫煙、遺伝、さらに生活習慣も関係していると考えられています。

加齢黄斑変性は、欧米人に多く日本人に少ないタイプの萎縮型と、日本人に多い滲出型に分類されます。

上で書いた中心性漿液性脈絡網膜から移行するタイプは、滲出型ということになります。

 

 当院や提携治療院での臨床上、両方のタイプに鍼灸治療は効果を発揮することが分かっています。

ただし、完全に視細胞が変性して変性してしまうと元には戻らないため、少しでも視細胞が生きている間に鍼灸治療受けて頂くことがとても大事です。

例えるなら、完全に死滅した視細胞とは完全に枯れた植物の状態で、弱った視細胞はしおれただけの状態だと言えます。

しおれただけなら、水や養分(血液や酸素、栄養)を与えると、再び視細胞は元気を取り戻して視力や視野が戻ります。

 

復活.png

 

循環障害を起こした脈絡膜には、ドルーゼンと呼ばれる老廃物の蓄積がよく見られます。

 

 ドルーゼン.png

 

ドルーゼンが網膜に見られれば、必ず黄斑変性症になるというわけではありませんが、ある程度の関連性はあるようです。

新生血管や浮腫に加えて、網膜上のドルーゼンもまた加齢黄斑変性症の発病や進行の一つの過程と言えるようです。

こうしたことからすると、循環障害を取り除くことが加齢黄斑変性症の発病予防や進行予防ではとても大事なことだとも言えます。

 

西洋医学的治療と鍼灸治療の違い

 

 加齢黄斑変性症に対する西洋医学的な治療としては、主に滲出型のみが対象となります。

現在のところ西洋医学では、萎縮型の加齢黄斑変性症に関して治療法はありません。

 

滲出型の加齢黄斑変性症に対して、最も盛んに行われているのは抗VEGF薬の眼内注射です。

 眼内.png

眼底部に注入された抗VEGF薬は、脈絡膜周囲に出来た新生血管に働きかけ、血管の成長を阻害します。

つまり滲出型の特徴である新生血管を無くしてしまえば、黄斑変性は進行しないというわけです。

 

 それ以外の方法としては、レーザーを使用した治療法があります。

一つは光線力学的療法で、もう一つがレーザー光凝固術と言います。

光線化学療法では、光に反応する薬剤を注射した後に、新生血管に集積した薬剤に目掛けて弱いレーザーを照射します。

現在は光線化学療法単独では行われず、抗VEGF薬注射と共に行われているようです。

 

 またレーザー光凝固術では、新生血管を網膜ごと焼き固めるため、黄斑などの視力に関係するでは視野欠損に繋がるため行いません。

黄斑部以外での新生血管では、レーザーで焼き固めても視力には支障がないため現在でも行われます。

 

 

 一方、加齢黄斑変性症に対する鍼灸治療では、主に眼底部の血流を良くする施術を行います。

加齢黄斑変性症自体が、眼底部(脈絡膜)の血行障害や炎症などによって発病するため、鍼灸治療はある意味根治療法であると言えるかもしれません。

その証拠に鍼灸治療を受けて頂いた方では、黄斑変性症の前段階で見られる、黄斑部の新生血管や浮腫が明らかに改善します。

 

・中心性漿液性脈絡網膜症の鍼灸症例 50代男性 市内在住

・中心性漿液性脈絡網膜症の鍼灸症例 大阪市在住 30代男性

・中心性漿液性脈絡網膜症の鍼灸症例 50代男性 府内在住

・中心性漿液性脈絡網膜症の鍼灸症例 30代男性 大阪府在住

 

 

 眼科鍼灸.png

 

そういう意味では、西洋医学的な治療では非常に強力な対症療法を行い、東洋医学では西洋医学ほど強力ではないけれど、根治療法を行っていると言えます。

 

 西洋医学で治療を続けている場合、治療が長期に渡るほど(抗VEGF注射を繰り返すほど)視力低下は強まる傾向がありますが、鍼灸治療を受けている方では、そうした期間による悪化はあまり見られません。

長期的な予後を考えたときには、鍼灸治療を選択する意義がより強まると言えと思われます。

 

 現状では、加齢黄斑変性症に対する治療としては、抗VEGF薬が第一選択になりますが、60代、70代の方や、抗VEGF薬を繰り返し注射している方には、ぜひ鍼灸治療をお薦めしたいと思います。

また抗VEGF薬での治療を選択しながらも、網膜や視神経の状態をより健全に保ちたい方は、併用療法としても鍼灸治療を選んで頂ければと思います。

 

 更に滲出型の加齢黄斑変性症だけではなく、萎縮型の加齢黄斑変性症に関しても、鍼灸治療の効果は出ていますので、萎縮型の加齢黄斑変性症に関しては、唯一の治療法とも言えるかもしれません。

2024.04.25 Thursday